
冬に向けて徐々に気温が下がる10~11月は、オフィスの冷えが気になり始める時季です。
冷え対策にはエアコンの暖房やヒーターが有効ですが「上半身は暖かいけれど足元が冷える」「電気代の高騰でコストがかかる」といった悩みを抱えているオフィスは多いのではないでしょうか。
そこで今回は、オフィスの足元の冷えを解消しつつ、電気代高騰対策にもなるオフィスレイアウトと内装の工夫をまとめました。
INDEX
1.暖房をつけているのに寒いのはなぜ?足元が冷える原因
2.冬のオフィス環境を改善するためのレイアウト3選
3.窓・壁・床の断熱性を高める方法
4.まとめ
1.暖房をつけているのに寒いのはなぜ?足元が冷える原因
暖房をつけているのに足元が冷える理由は主に2つあります。
コールドドラフトの発生
コールドドラフトとは、エアコンなどで暖められた空気が外気で冷えた窓面に触れることで冷やされ、床上に引っ張られる現象のことです。
空気は暖まると軽くなり、冷えると重くなる性質があるため、エアコンなどで暖められた空気は室内の天井付近にたまりやすい傾向にあります。
ところが、暖められた空気が冷えた窓面に触れると、温度が下がって床に流れ落ちます。
この現象により、室内は上層の暖かい空気と下層の冷えた空気で二層化されて「上半身は暖かいのに足元だけ冷える」という現象が起こります。
長時間のデスクワーク
長時間にわたってデスクワークを続けていると、足の血流が悪くなり冷えを感じやすくなります。
また、動きが少ない室内はコールドドラフトによって足元にたまった空気がそのまま滞留しやすい傾向にあるのも、オフィスが冷える原因の一つです。
2.冬のオフィス環境を改善するためのレイアウト3選
「オフィスの冷えを解決したいけれど、暖房費が高くなるのは避けたい」という場合、オフィスの暖房効率をアップする工夫を取り入れてみましょう。
ここでは、暖房効率を高めるためのオフィスレイアウトや内装・設備のポイントを3つご紹介します。
デスク配置を見直す
コールドドラフトが発生する窓の近くにデスクを配置すると、足元の冷えを強く感じる原因となります。
そのため、窓際にはあえてデスクを配置せず、収納スペースにするなど他の用途への活用を検討してみましょう。
また、固定席を設けないフリーアドレス制の導入も有効な対策の一つです。
冷え性の方は、窓際や冷たい外気が入りやすい出入口付近の席を避けることで、各々冷え対策を行うことが可能になります。
なお、フリーアドレス制は冬場の冷え対策だけでなく、夏場の暑さ対策およびエアコンによる冷え対策にも効果的です。
背の高いオフィス家具の見直し
背の高いオフィス家具を配置していると、空気の通り道が遮られて室内の温度の二層化が助長される原因となります。
空気の通り道の上に配置されている家具は別の場所に移動するか、あるいは背の低い家具に置き換えるなどの工夫を行い、空気の通り道を塞がないようにしましょう。
特に、エアコンの吹き出し口の前に家具を設置すると暖房効率が下がる恐れがあるため、優先的に配置を見直すことをおすすめします。
空気の流れを変える工夫をする
足元に冷たい空気が流れたり、たまったりするのを防ぐために、オフィス全体の空気の流れを変える工夫を施してみましょう。
例えば、窓際や出入口付近にパーテーションを設置すれば、冷たい空気を物理的に遮断しやすくなります。
また、室内にサーキュレーターを設置して空気の循環を促すのも有効です。
サーキュレーターはエアコンの対角線上に、上向きで設置するのがポイントです。
一方、エアコンは下向きに送風するように設定すれば、下に向かって排出された温風にサーキュレーターの風が当たり、上層にたまった暖気を攪拌できるようになります。
その結果、コールドドラフトによるニ層化が解消され、足元の冷えも緩和しやすくなるでしょう。
レイアウトの関係上、対角線上にサーキュレーターを設置するのが難しい場合は、室内の中央に設置し、上向きに送風するのがおすすめです。
3.窓・壁・床の断熱性を高める方法
冷たい外気の影響を受けにくくするために、窓や壁、床の断熱性を高める取り組みを行いましょう。
ここでは、それぞれの場所別に断熱性を高める方法をご紹介します。
窓の断熱
窓の断熱性を高める代表的な方法は以下の通りです。
- 断熱シート・フィルムを貼る
- 断熱ブラインドの取付
- 断熱窓への交換
断熱シート・フィルムは、窓に貼り付けるだけで冷たい外気を防ぎつつ、室内の暖かい空気を外に逃がしにくくするアイテムです。
断熱シート・フィルムはDIYで貼り付けることも可能ですが、市販品はあくまで簡易的な対策に過ぎず、十分な断熱効果を得られない可能性があります。
また、シートやフィルムは隙間なくきれいに貼らないと本来の効果を発揮できませんが、気泡やしわを入れずに施工するのは簡単ではありません。
より高い断熱性を求めるのなら、プロの内装業者に依頼し、業務用の断熱シート・フィルムをきれいに貼りつけてもらうことをおすすめします。
また、断熱ブラインドを取り付ける方法も有効です。
特に、ハニカムスクリーンと呼ばれる断熱ブラインドは空気の層を作る構造になっており、通常のブラインドよりも高い保温性を期待できます。
さらに断熱性を高めたい場合は、既存の窓を断熱窓に交換するのもおすすめです。
断熱窓には、ガラスを2枚重ねたペアガラスや3枚重ねたトリプルガラス、遮熱性の高い特殊な膜をコーティングしたガラスなどがあり、冷たい外気の侵入を遮断する効果を発揮します。
他の方法に比べると施工はやや大がかりになりますが、そのぶん優れた断熱性を期待できるでしょう。
ただし、賃貸オフィスでは窓ガラスは共用部分に該当するため、規約で交換ができない場合もあります。
勝手に交換するとトラブルの原因になる恐れがあるため、事前にオーナーや不動産会社に問い合わせておきましょう。
壁・床の断熱
壁や床の断熱性を高める方法は大きく分けて2つあります。
壁の場合、既存の壁をはがして内部に断熱材を充填する方法と、建物全体を断熱材で覆う方法の2パターンが主流です。
一方、床の断熱は床材をはがして断熱パネルを敷き込む方法と、床の裏側から断熱材を施工する方法があります。
壁・床そのものの断熱効果を高められるため、外気の影響を受けにくくなるのはもちろん、暖房効率も上がって一石二鳥の効果を期待できます。
ただし、前述した断熱窓への交換と同じく、賃貸オフィスの場合は断熱リフォームに制限がかかる場合があります。
「壁の取り壊しが必要な工事は不可、ただし断熱パネルを内張りするならOK」というパターンも考えられるため、まずはオーナーや不動産会社に問い合わせてみることをおすすめします。
4.まとめ:冬のオフィスはレイアウトや設備を見直して寒さに備えよう
冬のオフィスは、コールドドラフトや長時間のデスクワークなどの影響で足元が冷えがちです。
ただし、足元の冷えを解消しようとしてエアコンの設定温度を高くすると「上半身が暑い」「電気代がかかる」といった新たな問題が発生する原因になります。
このような冷えの問題を解決するには、既存のオフィスのレイアウトや設備を見直し、暖房効率アップや外気の遮断に努めましょう。
「空気の通り道を作る方法が分からない」「壁や床の断熱工法が多くあってどれを選べば良いか悩んでしまう」という場合は、プロの内装工事業者やオフィスレイアウトの専門業者に相談してみましょう。
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