オフィスが手狭になった場合、まず移転を検討する企業も多いのではないでしょうか。しかし、移転には手間や予算がかかるため「今すぐは難しい」というケースも少なくありません。
そのようなときはオフィスレイアウトを見直せば、移転せずに悩みを解決できます。
今回は「オフィスの狭さが気になるけれど、すぐ新オフィスに移転をするのは難しい」と悩んでいる経営者向けに、オフィスが狭いと感じる原因や、小規模オフィスの空間効率を上げる対策をまとめました。
INDEX
1.オフィスを狭いと感じる主な原因
2.手狭な小規模オフィスの空間効率アップ!レイアウト見直しのポイント
3.まとめ
1.オフィスを狭いと感じる主な原因
オフィスを手狭に感じる原因は大きく分けて3つあります。
・人員の増加
・書類・備品の蓄積
・デザインによる心理的要因
ここではそれぞれの原因について詳しく解説します。
人員の増加
新たな人員が増えると、デスクやチェアを追加しなければならないため、オフィスが狭くなる原因となります。
事務所衛生基準規則では、労働者1人につき10㎥以上(約1.4坪)の面積を設けることが義務付けられていますが、これは必要最小限のラインです。[注1]
実際には、ストレスなく業務を行うには約2~4坪のスペースを確保することが理想とされています。
例えば、約40坪のオフィスなら社員20人程度の規模が理想ですが、仮に5人の人員を採用した場合、1人当たりの面積が40坪÷25人=約1.6坪となり、窮屈さを覚えやすくなるでしょう。
書類・備品の蓄積
年月とともに紙の書類や備品が増えてくると保管スペースを圧迫するようになり、オフィスが手狭になってきます。
特に、棚やキャビネットを新設すると幅を取るため、動線などに問題が出てくる可能性があるでしょう。
デザインによる心理的要因
壁や天井の色が暗い、照明が足りないといったデザイン面の条件もオフィスを狭く感じる要因の一つです。
同じ面積であっても、室内の色遣いや照明の選び方によっては、実際よりもオフィスを狭く感じることがあります。
2.手狭な小規模オフィスの空間効率アップ!レイアウト見直しのポイント
オフィスを移転せずに狭さや窮屈感を解消するには、レイアウトを根本から見直すことが大切です。
ここでは、手狭なオフィスの空間効率をアップするレイアウトのポイントやこつを5つご紹介します。
ゾーニング・動線の見直し
人員増加や書類・備品の蓄積によってオフィスが手狭になってきたら、ゾーニングや動線を見直すことを検討しましょう。
例えば、執務室から会議室や応接室に直接アクセスできるようにすれば、動線が短くなる分、余ったスペースを他に回せるようになります。
また、社員同士のすれ違いが頻発すると窮屈感を覚えやすくなるため、頻繁に社員が行き来する通路は他よりも幅を広く取るなど、動線にメリハリを付けるのも有効な手段です。
さらに多くのスペースを確保するには、一つの空間を多目的に利用する方法もあります。
例えば、ミーティングルームとリフレッシュスペースを分けている場合、どちらか片方の空間にパーテーションを設けてゾーニングし、2つの用途で使えるようにすれば大幅な省スペース化を実現できるでしょう。
フリーアドレス制の導入
近年は、出社とリモートワークを兼用するハイブリッドワークを採用する企業が増えてきていますが、この場合、社員全員の固定席を設けるとスペースを効率的に活用できなくなります。
このようなケースでは、フリーアドレス制の導入を検討するのが有効です。
出社率や在席率に応じて、必要な数だけデスク・チェアを配置すれば、執務スペースの空間効率を高められます。
ただし、席に過不足が生じると省スペース化に失敗したり、社員から不満が生じたりする原因になる場合があります。
もしフリーアドレス制を導入するなら、曜日ごとの出社率を分析した上で必要なデスク・チェアの数を計算しましょう。
オフィス家具の見直し
レイアウトの変更に合わせて、家具の見直しも行いましょう。
例えば、大型のロングデスクを設置して多人数に対応できるようにする、立ったまま仕事ができるスタンディングタイプの席を設けるなどの方法があります。
多目的スペースとして活用する場合は、設置場所や数を調整しやすい可動式のデスク・チェアを選ぶとシーンによる使い分けがしやすくなります。
一方、収納に関してはなるべく背の低いものを選ぶのが有効です。
背が高い棚を並べると圧迫感が強くなり、実際よりもオフィスが手狭に見える恐れがあるため注意しましょう。
また、モニターやホワイトボードなどは置き型から壁掛けタイプに切り替えるのも一つのアイデアです。
省スペース化につながるのはもちろん、デザイン面でもスタイリッシュになり、一石二鳥の効果が見込めるでしょう。
ただし、壁掛けタイプのモニターやホワイトボードを使用する場合、壁の強度や施工方法に注意が必要です。
特に、賃貸オフィスの場合、壁に穴を開けても良いかどうかは契約によって異なるため、事前に不動産会社やオーナーに確認や許可を取っておきましょう。
近年はなるべく壁を傷つけずに済む工法もあるため、プロの内装業者と相談しながら適切な方法を模索することをおすすめします。
配色の見直し
色には、実際よりも大きく見える膨張色と、実際よりも小さく見える収縮色の2種類があります。
オフィスの壁や天井、床、家具などを黒、青、濃い茶色などの収縮色でまとめると、視覚効果によって部屋を狭く感じやすくなります。
オフィスを広く見せたいのなら、白やアイボリー、オレンジといった膨張色を積極的に活用しましょう。
「膨張色ばかりだとのっぺりしそう」といった不安がある場合は、限られた範囲にアクセントカラーを取り入れる手段もあります。
例えば、壁や床、天井は白色をベースにしつつ、ドアだけ赤色にするといった方法です。
アクセントカラーは全体の5%程度に抑えると全体のバランスが良くなります。
照明を工夫する
室内全体が薄暗いと、圧迫感や窮屈感を覚えやすくなるため、十分な明るさの照明を取り付けることが大切です。
ただし、あまり明る過ぎるとまぶしさや疲労を感じやすくなります。
必要な明るさはエリアの用途によって異なるため、それぞれのエリアに適した照度を確認しておきましょう。
事務所衛生基準規則では、一般的な事務作業では300ルクス以上、付随的な事務作業なら150ルクス以上の照度を備えることと定めています。[注1]
一方、リフレッシュスペースなど作業を行わない場所は、やや明るさを抑えた方がリラックスできるでしょう。
また、照明を選ぶときは形状や施工法にも配慮するのがポイントです。
例えば天井に埋め込むタイプのダウンライトを採用すれば、オフィス全体をすっきりさせられます。
さらに一工夫加えたいのなら、ウォールウォッシャーやブラケットライトなどの間接照明を取り入れるのもおすすめです。
壁を照らすと室内に奥行き感が生まれ、空間を広く演出できるでしょう。
3.まとめ:レイアウト次第でオフィスの狭さは解消できる
人員増加や備品の蓄積などが原因でオフィスを手狭に感じてきたら、移転を考える前に、まずはレイアウトの見直しを検討してみましょう。
例えば、ゾーニングや動線の見直し、フリーアドレス制の導入、オフィス家具や配色の工夫などを行えば、今のオフィスにいながら「狭い」「窮屈」といった悩みを解決できる可能性があります。
ただし、面積の少ない小規模オフィスのレイアウトを根本から見直すには、現在抱えている課題を洗い出した上で、オフィスの面積や予算などに合わせた設計を行う必要があります。
「課題はあるけどどこから見直せば良いか分からない」「予算がオーバーしそうで困っている」という方は、オフィスレイアウトの専門業者への相談も検討すると良いでしょう。
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