
近年、業務効率化の観点からAIやIoTなどの技術を導入したスマートオフィスへの移行を検討する企業が増えてきています。
ただし、スマートオフィスへの移行には単純にデバイスやシステムを導入すれば良いわけではありません。AIやIoTの効果を最大限に高めるには、空間設計も重要なポイントになります。
そこで今回は、スマートオフィスの定義について解説するとともに、スマートオフィスの導入効果を高めるためのデザイン・レイアウトのコツをまとめました。
INDEX
1.スマートオフィスとは?基本の定義と目的
2.スマートオフィスの導入効果を最大限に高めるための空間デザイン術4選
3.スマートオフィス導入の注意点
4.まとめ
1.スマートオフィスとは?基本の定義と目的
スマートオフィスとは、AIやIoTといった先進技術を導入したオフィスのことです。
例えば、オフィスの照明や空調をIoT化して自動制御する、Web会議システムを導入してオフィスワークをしている人とリモートワーク中の人のリアルタイムなコミュニケーションを実現する、といった方法があります。
スマートオフィスを導入する目的は企業によって異なりますが、一般的には以下のようなものがあります。
人材不足の解消
少子高齢化が加速している日本では、経済活動の中心となる生産年齢人口(15~64歳の人口)が減少傾向にあります。
その結果、どの産業でも慢性的な人手不足が問題になっており、中には事業継続が困難になっているケースも少なくありません。
AIやIoTを活用してこれまで人が担ってきた業務を自動化すれば、新たな人材の確保が困難なときでも、労働生産性を維持しやすくなるでしょう。
多様な働き方の促進
スマートオフィスの導入により、リモートワーク中の従業員とのコミュニケーションが取りやすくなれば、出社とリモートワークを組み合わせたハイブリッドワークへの対応も容易になります。
また、クラウド環境を整備すれば、移動中や出先でも業務を行うことが可能になります。
オフィスに帰社して仕事をする手間を省けるため、業務効率化にもつながるでしょう。
ランニングコストの節約
スマートオフィスを導入すると電子データの利用機会が増え、自然にペーパーレス化が進みます。
その結果、用紙代や印刷代、郵送代といったランニングコストが軽減され、経費削減につながるでしょう。
また、AIやIoTでオフィス内の照明や空調を自動制御すれば省エネ化にも貢献できます。
セキュリティの向上
AIによる監視やIoTを用いた認証などのシステムを導入すれば、オフィス内のセキュリティを強化できます。
もし盗難などの被害が発生しても、履歴データをたどれば速やかに原因を追究し、しかるべき措置を講じることも可能です。
2.スマートオフィスの導入効果を最大限に高めるための空間デザイン術4選
スマートオフィスのメリットや導入効果を最大限に高めるには、目的に合わせて必要なデバイス・システムを選定し、しかるべき場所に導入する必要があります。
ここでは参考までに、業務効率化やセキュリティ向上に役立つスマートオフィスの空間デザイン術を4つご紹介します。
入退室管理システムの導入
入退室管理システムとは、いつ・誰が・どこに入退室したかを管理するシステムのことです。
これまでは暗証番号を入力して入室する方法が主流でしたが、番号を部外者に知られた場合のリスクが高いという欠点を抱えていました。
そこで近年は、カメラによる顔認証や、スマートフォンにインストールしたアプリを用いた認証などが普及しつつあります。
顔認証については、カメラで撮影した画像をAIに解析させることで、手間を省きながら高精度な認証が可能になってきています。
入退室の記録はネットワークを通じて自動で記録される仕組みになっているため、万が一のことがあった場合は速やかに原因を追究できるでしょう。
また、入退室管理システムをエントランスやオフィスの入口に設置すれば、災害が発生した際、誰がオフィス内にいるのかを把握しやすくなります。
出社とリモートワークを両立したハイブリッドワークでもスムーズな安否確認ができるようになり、防災対策としても役立つでしょう。
予約システムの導入
会議室や集中ブースの予約をスマート化すれば、管理の手間を省けます。
例えば、会議室予約管理システムを導入し、利用状況や予約状況を可視化すれば、ダブルブッキングや特定の個人による長時間のブース占領といったリスクを回避しやすくなります。
予約の受付も自動化できるシステムを選べば、会議室やブースの管理をさらに効率化できるでしょう。
フリーアドレス制の適切化
フリーアドレス制を導入している場合、AIやIoTとの組み合わせによって適切化を実現できます。
例えば、執務スペースや座席にAIカメラやIoTセンサーを導入し、座席の利用状況をリアルタイムに可視化すれば、スマートフォンやパソコンなどから空き状況をチェックできるようになります。
利用状況があらかじめ確認できるようになれば「出社したのに座席が空いていなかった」といった不満やストレスが軽減されるため、理想的なハイブリッドオフィスを運用しやすくなるでしょう。
また、利用データを分析すれば、座席の過不足が生じていないかどうか判断できます。必要に応じて座席数を調整すれば、スペースを有効活用できるでしょう。
空調・照明の自動制御
オフィスの空調や照明をIoT化すれば、室内の温度や湿度、従業員の在席状況などに応じて、空調・照明を自動調節できるようになります。
いちいち手動で調整する手間を省けるのはもちろん、快適性を維持しつつ、無駄な電力のカットにも役立つため、省エネにもなります。
3.スマートオフィス導入の注意点
スマートオフィスは目的に応じたレイアウト・デザインの採用によって多くのメリットを期待できますが、一方でいくつかの課題もあります。
特に注意したいのが、導入コストとセキュリティの問題です。
スマートオフィスはコスト削減やセキュリティ向上にも寄与する取り組みですが、AI導入やIoT化には一定の初期投資がかかります。
また、ネットワークを多用することで外部からの不正アクセスリスクが高まるという課題も抱えています。
このようなリスクを回避し、デメリットをなるべく少なくするには、自社の課題を明確にした上で、無駄のないスマート化を目指すことが重要です。
同時に、社内でのデータ取り扱いについて従業員に教育・指導を行い、ヒューマンエラーによる情報漏えいリスクの低減に努めましょう。
4.まとめ:自社に適したオフィスのスマート化を目指そう
人手不足の解消や多様な働き方の推進といった課題を抱える現代のビジネスにおいて、オフィスのスマート化は問題解決を助ける有効な手段の一つです。
ただし、ただシステムやデバイスを適当に導入しただけでは、期待したような費用対効果を得られない可能性があります。
スマート化の手段は複数あるため、まずは自社の課題を洗い出し、どのようなスマート化を目指すべきかを明確化すると良いでしょう。
「大まかなイメージはあるけれど、どのような技術を取り入れれば良いか分からない」「予算内でスマート化できるのか不安」という方は、オフィスレイアウトの専門家からアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。
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