世界的に見ても自然災害の発生率が高い日本では、オフィスの防災や安全性の確保が非常に重要です。特に近年は、従業員の勤務場所が分散するハイブリッドワークが普及しつつあり、従来よりも複雑な対応・対策が必要になります。
近年ハイブリッドワークを導入した、あるいはこれから導入する予定がある場合は、ワークスタイルに応じた防災対策やBCP対策を意識してみましょう。
今回は、9月の防災月間に合わせて見直したいハイブリッドワークの防災対策・BCP対策のポイントをまとめました。
INDEX
1.ハイブリッドワーク導入で防災・BCP対策の見直しが求められる理由
2.ハイブリッドワークに対応した防災・BCP対策のポイント
3.まとめ
1.ハイブリッドワーク導入で防災・BCP対策の見直しが求められる理由
ハイブリッドワーク導入時に防災・BCP対策の見直しが必要とされる理由は、被災時の安否確認および情報共有が困難になりやすいためです。
ハイブリッドワークでは従業員の出社率が日々変動するため、被災時に誰がどこにいるのかを把握するのが難しくなります。
そのため、全員の安否確認に手間取るのはもちろん、リモートワーク中の従業員と情報共有ができず、緊急時に迅速な指示を与えにくいという新たな課題が浮上しています。
従来のような対面指示を基本とした防災対策では十分に対処しきれない可能性が高いため、ハイブリッドワークならではの対策を新たに講じる必要があるでしょう。
2.ハイブリッドワークに対応した防災・BCP対策のポイント
ハイブリッドワークならではの課題や問題を踏まえた防災・BCP対策のポイントを5つご紹介します。
フリーアドレス制では家具の固定やレイアウト、私物管理に注意
出社率が変動するハイブリッドワークでは、固定席を設けないフリーアドレス制を導入している企業も多いでしょう。
ただし、フリーアドレスには防災面で2つの注意点があります。
1つ目は、家具の固定が徹底されにくいことです。
固定席のないフリーアドレスは人数の増減にも柔軟に対応できるスタイルですが、そのぶん、いざというときにレイアウトを変更しやすいよう、軽量性や可動性が重視されます。
軽い上にキャスター付きのデスク・チェアは、地震の際に倒れたり、移動したりしやすいため、時として避難経路をふさいでしまいがちです。
そのため、フリーアドレスを導入する際は、キャスターロック付きの家具を導入するとともに、家具が倒れた場合でも避難経路をふさがないよう、レイアウトに気を配る必要があります。
2つ目は、私物の管理です。
フリーアドレス制では席が固定されていないため、私物をデスクに収納できません。
よって、私物はデスクの上や脇に置くことになりますが、被災時に慌てて避難した場合、無防備に放り出された私物が盗難などの被害に遭う恐れがあります。
このような被害を防ぐには、個人の私物を収納するパーソナルロッカーを設置するなどの対策が必要になるでしょう。
安否確認システムの導入
ハイブリッドワークでは、従業員の安否を迅速に確認できる安否確認システムの導入を検討しましょう。
安否確認システムとは、登録したメンバーに対し、被災時に一斉メールやメッセージを送信できるシステムです。
メンバーが受け取ったメールに返信すると、いつ・誰から返信があったのかリアルタイムで確認できる仕組みになっているため、遠隔地にいる従業員の安否確認に役立ちます。
安否確認システムは複数のベンダーからリリースされていますが、それぞれ機能や使い勝手が異なるため、自社のニーズや目的に合ったものを選ぶようにしましょう。
ハイブリッドワーク向けの備蓄対策
勤務中に大きな災害が発生して公共交通機関がまひした場合、帰宅困難になる従業員も出てくる可能性があるため、オフィス内での備蓄対策は必須です。
一般的に、オフィスの備蓄は全従業員分+来客用を考えて備えるのが理想とされていますが、大量の備蓄は保管スペースを圧迫する原因にもなります。
そのため、ハイブリッドワークを採用している場合は、普段の出社率を基に備蓄の量を調整しても良いでしょう。
なお、保管場所は一つに集中させず、いくつかに分散させるのがおすすめです。
1箇所に集中すると、その部屋が何らかの原因(転倒した家具で入り口がふさがれたなど)で立ち入れなくなった場合、備蓄の取り出しが困難になるためです。
このようなリスクを防ぐために、備蓄は倉庫と執務スペースのキャビネットに分散して保管するなどの対策を講じておいた方が良いでしょう。
もしフリーアドレス制を導入しているのなら、従業員ごとのパーソナルロッカーに個別に備蓄品を保管しておく方法もあります。
オンライン型の対策本部を設置する
ハイブリッドオフィスの場合、従業員全員に対面で指示を出せるとは限らないため、どこからでもアクセスできるオンライン型の対策本部の設置を検討しましょう。
チャットやSNS、Web会議システムといったツールを利用すれば、リモートワーク中の従業員ともスムーズに連絡できるため、情報を共有したり、適切な指示を与えたりできます。
なお、災害が発生したときはあらかじめ定めた対策本部要員に召集がかかりますが、災害の規模によっては停電が発生して自宅のネットワークが使えなくなる、データのやり取りに遅延や障害が発生するといったトラブルが起こることも考えられます。
このようなリスクを想定し、本部役員は事前にパソコンだけでなくスマートフォンにもコミュニケーションツールをインストールしておく、データ通信量を抑えるためにテキストのみでやり取りする、といったルールや環境を整えておくことも検討しましょう。
また、実際に災害が発生したときのことを想定し、定期的に訓練を実施しておくことも大切です。
個室ブースを設置している場合は消防法に注意
ハイブリッドオフィスの中には、Web会議や集中ワークに適した個別ブースを設置しているケースも少なくないでしょう。
天井や壁によって完全に囲われた個別ブースの場合、消防法では独立した居室と見なされ、スプリンクラーなどの消防設備の設置が義務付けられています。
ただし、個別ブースが床や壁に固定されていない可動式ブースに関しては、一定の要件を満たすことで消防設備の設置義務が免除される可能性があります。
具体的な要件として、床面積が6㎡以下である、ブースの天井や壁が不燃材料で仕上げられている、などが挙げられますが、条件は多岐にわたるため、不安な方は法令に詳しい専門家に相談しながら個別ブースの防災対策を講じることをおすすめします。
3.まとめ:ハイブリッドオフィスに適した防災・BCP対策を行おう
出社とリモートワークの両方を兼ね備えたハイブリッドオフィスは、完全出社とは異なる観点から防災・BCP対策を考える必要があります。
ハイブリッドオフィスへの移行に伴い、新たにフリーアドレス制や個別ブースなどを導入した場合は、家具の固定やレイアウトの変更、私物管理、消防法などに注意しましょう。
また、被災時にリモートワークを行っている従業員の安否をすばやく確認できる安否確認システムの導入や、オンライン型対策本部の設置なども検討するのがおすすめです。
さらに備蓄に関しても、必要に応じて備蓄量や保管場所の見直しなどを行うと、コストやスペースの無駄を減らせるでしょう。
「これからハイブリッドオフィスに移行する予定だけど、防災対策やBCP対策をどのように見直すべきか分からない」「今のオフィスに防災面でどのような問題があるかはっきりしない」といったお悩みがある方は、オフィス移転やオフィスレイアウトのプロに相談してみてはいかがでしょうか。
サン・プランナーは東京・名古屋を中心に、オフィスのレイアウト・プランニングから内装工事、電気・通信インフラ、家具販売、引越し、原状回復まで、オフィスに関するあらゆる事業を展開しています。
デザイン性の高い「内装・レイアウト」はもちろん、専門的な「電気・空調・セキュリティ工事」、さらに「家具の手配や引越し」まで。
オフィスづくりに関わる膨大な工程を、サン・プランナー1社だけで完結させることが可能です。
サン・プランナーは、窓口を一本化することでスムーズなオフィスづくりを実現し、お客様の理想を形にするお手伝いをいたします。
些細な疑問やご相談も、お気軽にお問合せフォームよりご連絡ください。
最後までご覧いただきありがとうございます。





