
執務スペースが限られている小規模オフィスでは「Web会議の声がうるさい」「周囲の雑音が気になって集中できない」といった問題が起こりがちです。
防音対策としては個室ブースの設置が有効ですが、工事が大がかりになりやすいため、スペースや費用の問題から着手できないという悩みを抱えている方も多いでしょう。
そこで今回は、小規模オフィス向けに比較的手軽に実践できる音対策の方法をまとめました。
音対策にかかる費用の目安も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
INDEX
1.小規模オフィスでWeb会議の音がうるさいと感じる理由
2.小規模オフィスでも取り入れやすい!大がかりな工事なしで実践できる音対策5選
3.音対策にかかる費用の目安
4.まとめ
1.小規模オフィスでWeb会議の音がうるさいと感じる理由
Web会議の音問題はどのような場所でも起こる可能性があります。
特に、小規模オフィスでは、以下のような原因で問題が生じやすくなります。
ハウリングの発生
ハウリングとは、スピーカーから出た音をマイクが拾い、その音がさらにスピーカーから発せられることで起こる現象です。
ハウリングが起こると、同じ音が響いたり、キーンという嫌な音が出たりするため、「うるさい」と感じる原因になります。
小規模オフィスは部屋の面積が狭いぶん、天井や壁などに当たった音が跳ね返ってきやすく、ハウリングが起こりやすいといわれています。
音漏れの発生
Web会議では、対面で話すときよりも相手の声が聞き取りにくい場合があるため、無意識に大きな声で話してしまいがちです。
Web会議を行っている場所と執務スペースの間に適切な距離が空いていればさほど気になりませんが、スペースが限られている小規模オフィスでは十分な距離を空けられず、音漏れがストレスになることも多いようです。
2.小規模オフィスでも取り入れやすい!大がかりな工事なしで実践できる音対策5選
音対策というと「大がかりな工事が必要」「手間とお金がかかる」というイメージがあります。
しかし、オフィスのレイアウトを工夫したり、手軽なツールを導入したりするだけでも効果的な音対策を実現できます。
ここでは、大がかりな工事なしで実践できる小規模オフィス向けの音対策を5つご紹介します。
デスク配置の見直し
日本で長らく普及してきた島型のデスク配置は、社員同士が向かい合わせになるため、相手の声が直接伝わりやすい傾向があります。
現在島型のデスク配置を採用している場合は、デスクを背中合わせにする背面型を採用するなど、声が直接届きにくい配置を検討すると良いでしょう。
また、列ごとにデスクの向きを変えて互い違いに配置するクラスター型と呼ばれるレイアウトもおすすめです。
ただし、これらのレイアウトは島型に比べるとスペースを取りやすいため、デスクをどこにどのように配置するか、慎重に検討する必要があります。
吸音パネルの導入
吸音パネルとは、音を吸収して室内への反響を防ぐ作用のある特殊パネルです。
スポンジのように柔らかく、かつ多くの穴が開いている素材を用いることで、音を効率的に受け止められる仕組みになっています。
ハウリングは音の反響が原因になることが多いため、吸音パネルを上手に活用すればWeb会議の音を軽減できるでしょう。
なお、同じ音対策のツールとして遮音パネルがありますが、こちらは文字通り、音を遮ることを目的としたものです。
遮音パネルを導入すると、パネルの向こう側への音漏れを遮る効果が期待できますが、受け止めた音は室内に跳ね返ります。
小規模オフィスの壁全面に遮音パネルを設置すると、四方から跳ね返った音が部屋の中に残響し、かえってうるさく感じることがあるため注意しましょう。
簡易ブースの設置
個別ブースを設置するのが難しい場合は、壁を利用した簡易ブースの設置を検討してみましょう。
例えば、吸音パネルを取り付けた壁際にデスクを寄せ、両サイドにパーテーションを設置すれば、即席のブースを作れます。
可動式あるいは卓上型のパーテーションであれば設置も容易ですし、必要に応じて取り外したり、移動させたりもできます。
完全個室のブースに比べると遮音性は低くなりますが、大がかりな工事は必要ないため、手間やコストをかけずに導入できるところが魅力です。
また、パーテーションは遮音タイプのものを選べば、両側のブースに人がいても音漏れの心配がなく、集中してWeb会議に参加できるでしょう。
サウンドマスキングの導入
サウンドマスキングとは、マスキング音と呼ばれる特殊な音を流すことで、周囲の雑音をカバーする技術のことです。
マスキング音として流すのは空調音などに似た穏やかな音のため、長く聞いていてもあまり耳障りにならず、気になる声や音をうまく隠せる仕組みになっています。
サウンドマスキングには専用のスピーカーが必要になりますが、必ずしも大がかりな工事を行う必要はなく、近年では市販のスピーカーと専用アプリを併用してサウンドマスキングを導入する方法も普及してきています。
音を完全に消すのが難しい場合に有効な方法ですが、環境に合わせて音量や音域を調整しなければ、かえってストレスに感じることがあります。
そのため、サウンドマスキングを導入する際は社内の意見を取り入れつつ、専門業者のサポートを受けながら計画を進めていくと良いでしょう。
ゾーニングの見直し
オフィス全体のレイアウトを根本から見直し、音対策に適したゾーニングを意識する方法もあります。
例えば、オフィス空間を大きく二つに分け、片方は静かな環境を必要とする人向けのサイレントゾーンに、もう片方を複数人でミーティングを行うためのコミュニケーションエリアに設定する方法などがあります。
両者の間に適度な距離を空けたり、必要に応じてパーテーションを取り入れたりすれば、より互いの音が気にならなくなる環境を整えられるでしょう。
3.音対策にかかる費用の目安
小規模オフィスの音対策にかかる費用は、何をどれだけ行ったかによって異なります。
以下では対策別におおよその相場をまとめました。
| 対策 | 費用の目安 |
|---|---|
| 卓上パーテーション | 約5,000円〜3万円/枚 |
| 施工型パーテーション | 約5万円〜30万円/1スパン |
| 吸音パネル | 約5,000円〜3万円/枚 |
| サウンドマスキング(置き型) | 約10万〜30万円 |
パーテーションの費用は、本体の高さや素材などによって差が出ます。
アルミ製のものは比較的安くて済みますが、遮音性や防音性の高いスチールやガラス製の場合は割高になります。
吸音パネルは、壁に取り付けられる簡易タイプなら1枚あたり約5,000円~と比較的リーズナブルです。
ただし、安価なものは吸音性もそれほど高くないため、性能を確かめた上で導入を検討した方が良いでしょう。
サウンドマスキングは置き型タイプなら施工が不要なため、初期導入費を安く抑えられます。
ただし、より広範囲かつ均一に音を行き渡らせたいのなら、施工が必要なタイプを選んだ方が良い場合もあります。
4.まとめ:小規模オフィスの音対策は工夫次第で高い効果を期待できる
小規模オフィスの音問題は、デスクの配置を変更したり、吸音パネルやサウンドマスキングを導入したりすることで対策できます。
ただし、レイアウトの見直し方やパーテーションなどの選び方は、オフィスのニーズや面積、予算などによって異なります。
対策の仕方を誤ると「相変わらず音がうるさい」「レイアウトの見直しで動線が悪くなってしまった」といった不満が生じやすいため、内装工事やレイアウトのプロに相談しながら計画を進めることをおすすめします。
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