
オフィスへの出社とテレワークを組み合わせた働き方が広く普及している今、ハイブリッドオフィスにおけるWebブースの導入を検討する企業が増えてきています。
Webブースは集中して仕事をしたい方にぴったりの設備ですが、導入時は消防法などの法令を遵守する必要があるため注意が必要です。
そこで今回はWebブース導入のメリットと、導入時に気を付けたい法令遵守のポイント、失敗しないデザイン・レイアウトのコツをまとめました。
INDEX
1.ハイブリッドオフィスで人気!Webブース導入のメリット
2.Webブース導入時に気を付けたい法令遵守のポイント
3.Webブースのデザイン・レイアウトのポイント
4.まとめ
1.ハイブリッドオフィスで人気!Webブース導入のメリット
ハイブリッドオフィスにWebブースを導入すると、以下のようなメリットを期待できます。
生産性の向上
Webブースは、外部からの音や視線をある程度遮断できる仕組みになっているため、ブースにいる間は集中して仕事に取り組めます。
特に、Web会議やチャットでコミュニケーションを取っている間は、周囲の騒音が気になって音声をよく聞き取れず、誤解を生じたり、もう一度聞き直す手間が発生したりといった問題が発生しがちです。
Webブースならこのようなリスクを軽減できるため、仕事に専念しやすく、労働生産性の向上につながるでしょう。
セキュリティリスクの防止
Webブースは騒音対策になると説明しましたが、外部の音を抑えるだけでなく、ブース内の音が外に漏れにくいという特徴もあります。
Web会議で機密性の高いやり取りを行っていても、周囲にいる人に話の内容が漏れる心配が少ないため、情報漏えいリスクを抑えられます。
また、周囲の人に気兼ねなく発言できるのもWebブースならではの魅力といえるでしょう。
空間を有効活用できる
Webブースのサイズは製品ごとに異なり、1人での集中作業に適した省スペースモデルもあれば、複数人でのミーティングに活用できる大型サイズのものもラインナップされています。
用途や目的、設置スペースに合わせて適切なサイズのWebブースを導入すれば、限られたオフィススペースを有効活用できます。
2.Webブース導入時に気を付けたい法令遵守のポイント
ハイブリッドオフィスにWebブースを導入するにあたって、特に気を付けたいのが、消防法や建築基準法の問題です。
消防法とは、火災を予防、警戒、鎮圧し、人々の生命や体、財産を火災から保護するとともに、災害による被害の軽減を目的に設けられた法律です。[注1]
消防法はオフィスビルだけでなく、あらゆる建築物が適用対象となるため、建物を建築・増築したり、レイアウトを変更したりする場合は同法を遵守することが大前提です。
当初、個室型のWebブースは消防法の対象外とされていましたが、その後の法改正に伴い、個室ブースも消防法の適用対象となりました。
全てのWebブースが消防法の対象になるわけではありませんが、条件によっては法に基づいた適切な措置が必要になるため、自社のケースと照らし合わせて確認しておきましょう。
また、消防法と併せて建築基準法の遵守も徹底しなければなりません。
建築基準法とは、建築物の敷地や構造、設備、用途に関する最低の基準を定めることで、人々の生命や健康、財産の保護を図るために設けられた法律です。[注2]
国内に存在する全ての建物は建築基準法の対象となるため、Webブースの設置によって法律に抵触しないかどうかの確認も必要になります。
以下では、Webブース導入時に気を付けたい消防法や建築基準法のポイントを2つご紹介します。
[注1]e-Gov法令検索「消防法」
[注2]e-Gov法令検索「建築基準法」
消防用設備が機能するか
Webブースを導入する際、オフィスに設置された消防用設備が適切に機能するかどうかが重要になります。
オフィスには、自動火災報知設備やスプリンクラーなどの消防用設備が設置されていますが、完全個室型のWebブースの場合「スプリンクラーからの散水がブースの天井や壁で防がれてしまった」「防音壁の影響で自動火災報知器の警報音が聞こえなかった」といった問題が浮上しがちです。
特に、天井や壁に取り付けるタイプのWebブースは建物の居室と見なされやすいため、消防用設備が適切に機能しない場合、消防法違反になる恐れがあります。
そのため、完全個室型のWebブースを導入する際は、ブース内に個別にスプリンクラーやスピーカーの設置を検討しましょう。
なお、天井や壁に固定されていない可動式ブースの場合、特定の条件を満たせばブース内に個別のスプリンクラーやスピーカーを設置しなくても良いケースもあります。
要件は複数ありますが、オフィスでは主に以下の点に注意が必要です。[注1]
- 可動式ブースの床面積が6㎡以下であること
- 可動式ブースの天井および壁が不燃材料で仕上げられていること
- 可動式ブース内に、適切に点検・維持管理された住宅用下方放出型自動消火装置が設置されていること
- ブース内に、住宅用下方放出型自動消火装置では消火しきれないと思われる可燃物が存在しないこと
- 住宅用下方放出型自動消火装置が床から2.5mを超える高さに設けられていないこと
- ブース内で火災が発生しても確実に消火できることが消火実験などによって確認されていること
- ブース内で火災が発生しても、ブースから1m離れた場所を経由して避難する者が受ける熱量が3kW/㎡未満であり、かつ一酸化炭素濃度の最大値が1,000ppm以下であることが消火実験などにより確認されていること
上記の他にも満たすべき要件は複数あるため、可動式ブースを導入する際は消防法に詳しい専門家のアドバイスを受けながら、ブース内に消防用設備を個別に導入するかどうかを判断することが大切です。
[注1]総務省消防庁「可動式ブースに係る消防用設備等の取扱いについて(通知) 」
避難経路の妨げにならないか
既存のオフィスにWebブースを後付けする場合、避難経路の妨げにならないかどうかも確認が必要です。
例えば、非常口や廊下に出る際、Webブースが通行の妨げになると有事の際にスムーズに避難できなくなる可能性があります。
特に、3階以上の建物や延べ面積1,000㎡超の建物といった特殊建築物は、建築基準法第35条の規定により、避難上および消火上で必要な通路はその妨げにならないよう設計することが義務づけられています。[注1]
以上の点から、普段の使い勝手を意識した動線だけでなく、災害が発生したときの避難経路も考えながらWebブースのサイズや設置位置を決めることが重要です。
[注1]e-Gov法令検索「建築基準法」
3.Webブースのデザイン・レイアウトのポイント
Webブース設置で失敗しないためには、前述した法令遵守を徹底するとともに、Webブースのメリットを大きくするためのポイントを押さえておく必要があります。
ここでは、Webブース導入で押さえておきたいデザイン・レイアウトのコツをまとめました。
執務室からのスムーズな動線を意識する
Webブースの設置位置は、執務室からスムーズに移動できるのかどうかを視野に入れて検討しましょう。
ただし、距離が短ければ良いわけではありません。
執務室とWebブースの距離が近過ぎると、視線や音が気になって集中できなくなるリスクが高くなります。
特に、天井や壁のない半個室やオープン型ブースの場合は執務室からの動線を意識しつつ、なるべく静かで視線が届きにくい場所に設置した方が良いでしょう。
ニーズやオフィスの雰囲気に合ったブースを選ぶ
Webブースと一言にいっても、完全個室型、半個室型、オープン型などさまざまなタイプがあり、それぞれメリット・デメリットに違いがあります。
例えば、防音性や遮音性を意識するなら完全個室型が適していますし、導入時の価格をなるべく抑えたいのなら最小限の設備で設置できるオープン型が向いているでしょう。
ある程度の防音性を備えつつ、コストも抑えたい場合は、半個室型がおすすめです。
また、同じタイプのブースでもデザインや配色は製品によって異なります。
特に、後付けの場合はブースがオフィス内で浮かないよう、既存の設備との調和も考えながらデザイン性を考えるのがポイントです。
【施工事例】奥野製薬工業株式会社 名古屋支店様

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- ■施工時期
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- 2026年2月
■施工面積
約27坪
■お客様のご要望
既存スペース(会議室・倉庫)の用途を見直し、オンラインと対面双方がスムーズに行える、明るく生産性の高いオフィスへ刷新したい。
■デザインの工夫
・機能的な空間転用:倉庫を会議室へ変更し、WEBブース「BizBreak」や「SET HUT」の新設で多様な働き方に対応。
・集中と効率のサポート:昇降デスクやパネルを配置し、周囲を気にせず業務に没頭できる環境を整備。
・温かみと企業らしさの調和:木目やグリーン、ペンダントライトを取り入れつつ、アクセントにコーポレートカラーの「赤」を効かせた心地よい設計。
■この事例のURL
【名古屋市昭和区】化学メーカー|集中とリラックスを両立したオフィス改修 – 株式会社 サン・プランナー
4.まとめ:Webブースを検討する際は法令遵守を意識しよう
Webブースの導入を検討する際は、消防法や建築基準法などの法令に抵触しないかどうか、十分注意しながらデザインやレイアウトを考えることが大切です。
特に、完全個室型のブースはそのままの状態だと災害発生時の避難に支障を来したり、被害が拡大したりする原因となるため、ブース用の消防用設備を設置しなければなりません。
一部例外もありますが、一定の要件を満たす必要があるため、消防法や建築基準法などの法令に詳しいプロの意見を取り入れながら、適切なWebブースの導入を目指しましょう。
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