
オフィスの移転や改装は考慮しなければならないポイントが多数あるため、失敗してしまうリスクは決して少なくありません。
オフィス移転・改装は企業の成長を加速させる一大プロジェクトのため、少しでも失敗リスクを低減できるよう、理想のオフィスを実現するための基礎知識やコツをしっかり押さえておきましょう。
今回は第50回目の集大成として、オフィス移転・改装で失敗しないための手順やコツをまとめました。
INDEX
1.オフィス移転・改装の基本的な手順とコツ
2.オフィス移転をより賢く、スムーズに行うためのコツ
3.まとめ
1.オフィス移転・改装の基本的な手順とコツ
オフィス移転・改装の手順は大きく分けると以下5つのステップに区分されます。
1.移転計画の策定・解約の準備
2.移転先の選定
3.レイアウト・内装の設計
4.移転の通知・実施
5.各種届出を行う
ここからはそれぞれのステップについて詳しく見ていきましょう。
移転計画の策定・解約の準備
まずは移転計画を立てる第一歩として、なぜオフィスの移転が必要なのか、目的を明確にするところからスタートしましょう。
目的が曖昧なままだと、移転先の選び方やレイアウト・内装の設計において軸がぶれてしまい、思うような成果を挙げられない恐れがあるからです。
移転の目的は企業によって異なるため、現オフィスが抱える課題や不満点、自社のビジョンなどを洗い出し、「どうすれば課題を解決できるのか」「理想のビジョンに近づけるか」をじっくり検討しましょう。
一方で、現オフィスの解約手続きも進めておく必要があります。
賃貸オフィスの場合、移転日より〇か月前までに解約する旨を大家さんや不動産管理会社などに通達しなければならない、とする解約予告期間が定められています。
予告が遅れると解約の時期がずれ込み、新オフィスに移転した後も旧オフィスの家賃を支払わなければならない事態に陥るでしょう。
解約予告期間は賃貸借契約書に記載されているため、きちんと確認した上で期間内に解約予告を通知しましょう。
移転先の選定
移転の目的を基に、移転先の選定を行います。
立地やオフィスの面積、予算などを考慮しながら、不動産仲介業者と二人三脚で条件に合う物件を探しましょう。
なお、物件は必ず内覧し、管理状態や柱の位置・数、空調方式などをチェックすることが大切です。
これらはレイアウトや内装設計を左右する重要な要素ですが、インターネットやパンフレットなどでは正確に把握できない情報であるため、現地でしっかり確認する必要があります。
条件に合う物件が見つかったら賃貸借契約を締結します。
レイアウト・内装の設計
オフィス移転の目的に合わせて、ゾーニングやレイアウト、内装の設計、インフラ整備などの計画を立案します。
ゾーニングとは、オフィス空間を執務スペース、会議室、リフレッシュスペースといったように用途や機能別に区分けすることです。
適切なゾーニングを行えば、業務効率化やセキュリティ性の向上などにつながるため、どのスペースをどこに配置するべきか、慎重に見極めましょう。
なお、同じ執務スペースでもオープンスペースと個別ブースでは従業員のニーズが異なります。
前者はコミュニケーションの活性化、後者は集中できる空間づくりを求められるため、執務スペース内でもさらに細かなゾーニングを行った方が良いでしょう。
例えば、オープンスペースと個別ブースの間にパーティションを設ける、適切な距離を空けるなどの工夫を取り入れれば、多様な働き方のニーズに対応しやすくなります。
ゾーニングを終えたら、各スペースのレイアウトや内装、インフラ整備を検討します。
従業員の動線を意識しながら、デスク間の距離はどのくらい空けるべきか、OA機器はどこに設置するか、執務室全体にWi-Fiが行き渡るかどうか、などを考えていきましょう。
移転に伴ってオフィス家具を新調する場合は、実用性だけでなく、移転先のデザインや予算も考慮して選定することが大切です。
なお、オフィス家具は新規に購入する他、中古品やリースを利用することも可能です。
「なるべく初期費用を抑えたい」「適切なタイミングで新品に交換したい」といったニーズがある場合は、新規購入だけにとらわれず、さまざまな方法を模索してみましょう。
移転の通知・実施
移転実施の前に、従業員や関係各所に移転の旨を通知・説明を行います。
従業員には移転直後からスムーズに業務をはじめられるよう、オフィスレイアウトや運用ルールをあらかじめ説明しておくのがおすすめです。
移転当日は、引っ越しの準備や作業内容について、全従業員に対してスケジュールの確認・共有を行っておきましょう。
特に、旧オフィスから持ち出すものをリストアップしておけば、移転後に「あれがない」「これはどこだ」といった混乱を生じるリスクを低減できます。
各種届出を行う
オフィスを移転したら、各機関に届出を行う必要があります。以下では、代表的な手続きに関するチェックリストをまとめました。
| 届出先 | 届出の内容 | 期限 |
|---|---|---|
| 法務局 | 本店・支店移転登記 | 2週間以内 |
| 税務署 | 異動事項に関する届出 | 異動後速やかに |
| 年金事務所 | 健康保険・厚生年金保険適用事業所所在地・名称変更届 | 事実発生から5日以内 |
| 労働基準監督署 | 労働保険名称、所在地変更届 | 変更のあった日の翌日から起算して10日以内 |
| ハローワーク | 雇用保険事業主事業所各種変更届 | 変更のあった日の翌日から起算して10日以内 |
| 郵便局 | 転居届 | 移転後なるべく早め |
| 消防署 | 防火対象物工事等計画届、防火対象物使用開始届、防火・防災管理者選任届 | 自治体によって異なる |
上記を見ても分かる通り、手続きによっては期限が設けられているものもあります。
オフィス移転後は何かと忙しいためつい失念しがちですが、期限が短いものから優先して滞りなく手続きを済ませられるよう準備しておきましょう。
なお、消防署への届出に関しては自治体によってルールが異なるため、あらかじめ移転先の役場の担当課に問い合わせておくことをおすすめします。
2.オフィス移転をより賢く、スムーズに行うためのコツ
オフィス移転をより賢く、スムーズに進めるために、以下の項目をチェックしておきましょう。
各種法令を遵守する
オフィスのレイアウトや内装を設計する際は、消防法や建築基準法といった各種法令を遵守する必要があります。
例えば、個別ブース配置にあたり、四方を天井まで届く壁で区切った場合、ブースごとに火災感知器やスプリンクラー、放送設備などの設置が義務付けられています。
また、オフィスビルの構造や規模などによっては、内装に使う素材に一定以上の防火性能を求められる場合もあります。
もし法令を遵守できない場合、工事の許可が下りずにスケジュールが遅延してしまうリスクがあるのはもちろん、後から指導・処分の対象になったりする恐れがあるでしょう。
このようなリスクを低減するためにも、プロのアドバイスを受けながら適切なレイアウト・設計を心掛けましょう。
補助金・助成金をチェックする
国や自治体が行っている補助金や助成金の中には、オフィス移転・改装に活用できるものもあります。
補助金や助成金は原則として返済不要なため、受給できれば移転や改装にかかるコストを低減できます。
ただし、受給要件は制度ごとに異なるため、お住まいの役場に問い合わせるか、補助金・助成金に詳しい専門業者に相談しながら手続きを進めていくと良いでしょう。
ワンストップの業者に依頼する
オフィス移転では、設計事務所や内装業者、設備業者、OAやオフィス家具販売店など、さまざまな業者を交えて計画を進めていかなければなりません。
各業者間の連携にミスや遅延が生じると、当初の設計通りに工事が行われなかったり、予定した日にオフィス移転ができなくなったりする恐れがあります。
このようなリスクを低減するには、オフィス移転のプロセスをまとめて任せられるワンストップ業者に依頼するのがおすすめです。
ワンストップ業者なら一つの窓口で全行程を一元管理するため、複数の業者と調整する必要がなく、連携ミスなどのトラブルを未然に防止できます。
また、全行程の工事費が総額として提示されるため、予算オーバーの心配が少なくなる利点もあります。
3.まとめ:オフィス移転・改装の手順をきちんと把握した上で計画を進めよう
オフィス移転・改装は移転計画の策定や解約の準備、移転先の選定、レイアウト・内装設計、移転通知・実施や各種届出など多くの工程を踏む必要があります。
大まかな手順やそれぞれのポイントを押さえておかないと「予定日に移転が間に合わない」「期待していた仕上がりではない」といったトラブルが発生する原因となるため、オフィス移転・改装にどのような手続き・作業が必要なのかあらかじめしっかり把握しておきましょう。
「滞りなくオフィス移転できるのか不安」「まず何からはじめたら良いか分からない」という場合は、プロの業者に相談して適切なアドバイスやサポートを受けることをおすすめします。
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