近年、働き方の多様化に対応するため、パイロットオフィスを導入する企業が増えてきています。
パイロットオフィスについては一定の効果を挙げている事例が多数報告されている一方、比較的新しい取り組みであるため、「本当に効果があるのかな」と疑問に思われている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、パイロットオフィスの基本的な知識を解説するとともに、主な効果や、具体的な取り組み事例をご紹介します。
INDEX
1.パイロットオフィスとは
2.パイロットオフィス導入で見込める主な効果
3.パイロットオフィスが求められる背景
4.パイロットオフィスの取り組み事例3選
5.まとめ
1.パイロットオフィスとは
パイロットオフィスとは、新しい施策や取り組みなどを試験的に導入するために設けられるオフィスのことです。
事業拡大や業務改善のためには、新たな施策が必要になるケースも多いですが、未知の試みをいきなり現場で実施すると、大きな問題や損害が出る恐れがあります。
そのようなとき、パイロットオフィスを導入すれば、事前に期待できる成果や課題点を把握できるようになり、施策の成功率を高められるでしょう。
オフィスの規模は企業や施策ごとに異なりますが、一般的には小規模で実施されることが多く、必要に応じて導入しやすい点も特徴の一つです。
2.パイロットオフィスが求められる背景
パイロットオフィスが企業に求められている背景には、働き方改革への取り組みがあります。
労働環境の質や労働生産性の向上を目的とした働き方改革を実現するには、労働環境やルールを根本から見直す必要があります。
抜本的な見直しは労働環境に大きな影響をもたらすため、事前に効果や問題点をきちんと把握できるパイロットオフィスの需要が高まっています。
3.パイロットオフィス導入で見込める主な効果
パイロットオフィスの導入によって見込める主な効果を4つのポイントに分けて解説します。
・施策にかかるコストの削減
働き方改革に伴う新たな施策の実行には、内容や規模に応じたコストがかかります。
特に大がかりな施策の場合、導入時に多額のコストが発生するため、失敗した場合のリスクも大きくなりがちです。
その点、パイロットオフィスは小規模で実施できるため、大がかりな施策をいきなり実施するよりもコストを抑えられます。
規模は小さくても、新たな施策として実施すべきことはオフィスに反映されているため、低コストで成果や課題を把握できる点が利点です。
・事前に課題や問題を把握できる
新たな施策を実行すると、予想外の課題や問題が浮上することも少なくありません。
パイロットオフィスは小規模ながら、本格導入と同じ環境・ルールを適用して運用するため、事前の課題・問題の洗い出しに役立ちます。
そこで見つかった課題について適切な対策を講じれば、本格導入時のリスクが減り、安定した運用が可能になります。
・従業員に理解してもらいやすい
新しい施策を行うと、労働環境やルールが大きく変更されるケースが多いため、従業員から「なぜこのようなことをするのか」「施策の意味が理解できない」といった不満や戸惑いの声が上がることも少なくありません。
言葉で説明することは可能ですが、働く人にとっては「本当にうまくいくのか」と不安に思う方も出てくるでしょう。
そのようなとき、パイロットオフィスで実際に新たな取り組みを実行してみせれば、施策の目的や成果を従業員に理解してもらいやすくなります。
さらに、本格的に導入した際に現場で浸透しやすいという利点もあり、一石二鳥の効果を期待できます。
・コミュニケーションが活発になる
パイロットオフィスで新たな施策を試験的に導入すると、「新しい労働環境はどうなのだろう」「働きやすくなっているのかな」など、従業員の興味・関心が高まります。
すると、社員同士で新たな試みに関する話題が出やすくなり、コミュニケーションが活発になるという副次的な効果も期待できるでしょう。
また、社内の会話から思わぬアイデアが生まれる可能性もあります。
4.パイロットオフィスの取り組み事例3選
国内企業の中には、パイロットオフィスを導入し、一定の成果を挙げた例も多数あります。
ここでは参考として、具体的な取り組み事例を3つご紹介します。
・コミュニケーション改善を目的とした事例
日本の企業では、従業員のデスクをいくつか合わせて島を作る島型レイアウトが主流です。
島型は、同じ島にいる人とコミュニケーションを取りやすい点や、オフィスのスペースを有効活用できるなどのメリットがある一方、他の島の人と交流が少なくなりやすいという欠点もあります。
そのようなときは、特定の部署や課でフリーアドレス制のデスクレイアウトを採用してみましょう。
フリーアドレス制は固定席を設けず、好きな席を選んで就業できるデスクレイアウトです。
席が固定されていない分、さまざまな人と接する機会が増えるため、社内コミュニケーションの活性化につながります。
なお、固定席がないとデスク周りに私物を収納できないため、別途パーソナルロッカーを設置するなどの措置を講じることも大切です。
・ゾーニングを目的とした事例
オフィスの業務効率を向上させるには、業務の内容に応じて空間を分割するゾーニングを行うのが有効です。
ゾーニングを実施すると、各々の用途に適したエリア環境を整えることができるため、労働環境の改善や生産性の向上につながるでしょう。
ゾーニングの手段はいろいろありますが、その一例として、執務エリアの一画にミーティングエリアを設けるという方法があります。
具体的には、執務エリアの一画にパーティションを設置し、ちょっとした打ち合わせやミーティングを行えるエリアを作ります。
この方法は特にフリーアドレス制のオフィスで採用されており、シーンに応じてエリアを使い分けることで、コミュニケーションの活性化とミーティング環境の整備の両立を実現できます。
パイロットオフィスの運用を経て、ミーティングエリアの利便性や活用度などを従業員にヒアリングすれば、どのような形でゾーニングするのが適切か判断しやすくなるでしょう。
・従業員満足度の向上を目的とした事例
少子高齢化が進み、どの産業でも慢性的な人手不足に悩まされている中、企業にとって従業員の定着率をいかに上げるかが大きな課題となっています。
定着率を上げるには従業員満足度の向上が欠かせませんが、そのための施策の一例として、リフレッシュスペースを設けたパイロットオフィスの活用があります。
リフレッシュスペースは従業員の疲れやストレスを解消することを目的としたエリアで、例えばソファスペースを設けたり、フリードリンクサービスを提供したり、音楽を流したりするといったアイデアが導入されるのが一般的です。
執務スペースとリフレッシュスペースをシーンに応じて使い分ければ、従業員の疲れやストレスが緩和され、仕事への意欲が高まります。
パイロットオフィスで一定の効果を挙げられたら、リフレッシュスペースを拡大したり、サービスを充実させたりしてもよいでしょう。
5.まとめ:パイロットオフィスを上手に導入し、施策の成功を目指そう
パイロットオフィスは、新たな施策の本格導入に先立って、小規模でスタートさせる試験的なオフィスのことです。
適切に導入すれば、低コストで運用しながら、施策の効果を分析したり、課題を洗い出したりすることが可能になります。
また、施策の目的や効果を従業員に周知させやすくなるというメリットもあり、スムーズな本格導入を目指せるところも大きな利点です。
働き方改革を目的に、新しい施策の立ち上げを計画している場合は、ぜひパイロットオフィスの導入を検討してみましょう。
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