近年、働き方改革の一環として、パイロットオフィスの導入を検討する企業が増加しています。
パイロットオフィスは企業全体の働き方の改善や見直しを行う際の有効な手段ですが、一般的なオフィスとは趣旨が異なるため、パイロットオフィスならではの設計・レイアウトを心掛けることが大切です。
今回は、パイロットオフィスの基礎知識や導入のメリット、成功のために押さえておきたいポイントをまとめました。
INDEX
1.パイロットオフィスは、オフィス改革を試験的に行うための場所
2.パイロットオフィス導入のメリット
3.パイロットオフィス導入を成功させるためのポイント
4.まとめ
1.パイロットオフィスは、オフィス改革を試験的に行うための場所
パイロットオフィス(pilot office)とは、英語で試験的なオフィスを意味する言葉です。
その名の通り、会社全体でオフィス改革を目指すに当たって、試験的に導入するオフィスを指します。
現在、国内企業の多くは、働きやすさや多様化を重視した労働環境の整備に積極的に取り組んでいます。
しかし、従来とは異なる環境を整備するのは簡単なことではなく、最初から組織全体のオフィス改革を実行すると、大きなトラブルや損害を招く可能性があるでしょう。
そこで、特定の部署・部門にのみ新たな試みや施策を採り入れ、オフィス改革の効果や問題点を洗い出すパイロットオフィスに注目が集まっています。
2.パイロットオフィス導入のメリット
パイロットオフィスを導入した場合に期待できるメリットは、大きく分けて4つあります。
・課題の洗い出しと対策に役立つ
いくら綿密な計画を立てたとしても、オフィス改革で実際に得られる成果や効果は実践してみるまで分かりません。
いざオフィス改革を実行した際、予想もしていなかった問題が噴出し、何らかの対策が必要になるケースも十分考えられます。
パイロットオフィスを導入して試験的にオフィス改革を実行すれば、本格導入の前に問題を浮き彫りにすることができます。
見つかった課題を基に然るべき対策を講じれば、本格導入後のリスクを最小限に抑えられるでしょう。
・コストを節約できる
会社全体でオフィス改革を行うと、規模に応じて多額のコストが掛かります。
改革が成功に終われば問題ありませんが、いざ実行したところさまざまな問題が噴出し、見直しや改善にさらに多くのコストが掛かる可能性もゼロではありません。
パイロットオフィスで試験的に改革を実行すれば、あらかじめ問題点や改善点が明確になるため、本格導入後に手直しするコストを減らせます。
・社内への浸透がスムーズになる
働く環境が大幅に変化すると、従業員は勝手が分からず、戸惑いや不安、ストレスを感じやすくなります。
場合によっては業務に支障が出たり、「なぜオフィスを変えたのか理解できない」などの不満が噴出したりして、生産性や従業員満足度の低下を招く要因になるかもしれません。
パイロットオフィスを導入すれば、本格的な改革の前にオフィスの使い勝手や新しい働き方の体感ができるため、従業員側の戸惑いも少なくなります。
例えパイロットオフィスで問題が見つかったとしても、本番で課題が改善されていれば従業員の反感を買う心配はなく、社内への浸透がスムーズに進むでしょう。
また、実際にパイロットオフィスで新しい試みを体験してもらえば、「なぜオフィス改革を行おうとしているのか」「会社が何を目指しているのか」といった方針・理念を理解してもらいやすくなる利点もあります。
・データを基により良い職場づくりを目指せる
パイロットオフィスを運用すると、座席稼働率や動線、滞在時間、快適性などさまざまなデータを得られます。
これらのデータを分析すれば、従業員が普段仕事をどのように進めているのか、スペースをどのように活用しているのか、どのような場所を好んで利用しているか、など新たな情報の取得が可能です。
分析結果から判明した新たなデータを基に試行錯誤を繰り返せば、より良い職場づくりのアイデアが生まれる可能性があります。
また、パイロットオフィスの導入に伴い、従業員にアンケート調査やヒアリングを実施すれば、現場の声を知る良いきっかけになるでしょう。
3.パイロットオフィス導入を成功させるためのポイント
パイロットオフィス導入を成功させるために押さえておきたいポイントを4つご紹介します。
・導入目的を明確にする
パイロットオフィスの導入目的は会社ごとに異なり、「フリーアドレス制の導入効果を検証したい」場合もあれば、「将来的なオフィス移転に向けたリニューアル方針を定めたい」ケースもあります。
導入目的によってパイロットオフィスの設計やレイアウトは大きく変化するので、まずは導入目的を明確にし、デザインやレイアウトの方向性を決めておきましょう。
・設備の導入は慎重に行う
新しい働き方や環境を採り入れるためには、その目的や用途に見合った設備を導入する必要があります。
例えばフリーアドレス制を導入する場合、固定席を設けないぶん、従業員の私物を収納・保管できるロッカーや棚などを新たに準備しなければなりません。
また、オフィスワークとテレワークを組み合わせるハイブリッドワークを推進する場合は、座席を減らす一方、Web会議を行うためのスペースや設備などの導入を検討する必要があります。
パイロットオフィスのメリットは小規模スタートでコストをカットできる点にあるので、無駄な支出を増やさないためにも、必要な設備の選定や導入は慎重に行いましょう。
・現場の声に耳を傾ける
パイロットオフィスの目的は、新たな試みが内包する課題や問題を洗い出し、必要な対策を見出すことにあります。
そのためには、現場の声に耳を傾け、パイロットオフィスへの意見や体験談を情報として取得・分析しなければなりません。
具体的には、パイロットオフィスで働く従業員に対して定期的にアンケート調査やヒアリングを行う、意見を聞くための窓口を設置するなど、現場の声を聞くための体制を整えることが大切です。
・PDCAサイクルでブラッシュアップを図る
PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)を一つのサイクルとして回し、取り組みの成果や精度を上げる手法です。
パイロットオフィスを運用すると、当初想定していなかった問題や課題が浮き彫りになることが多々あるので、PDCAサイクルを回してブラッシュアップを図っていかなければなりません。
具体的には、パイロットオフィスの計画を立てる→計画通りに実行する→問題・課題が見つかる→必要な対策を計画・実行する→新たな問題が生じないかチェックする……といった流れになります。
このようなPDCAサイクルを回すには、あらかじめ効果の検証やデータの分析、連続的フィードバックなどを行える体制を整えておく必要があります。
4.まとめ:パイロットオフィスを導入して効率的なオフィス改革を目指そう
パイロットオフィスは、大規模なオフィス改革を試験的に実施するオフィスのことです。
スモールスタートなのでコストを抑えて導入できるほか、本番前に課題の洗い出しや必要な対策を見つけられる、社内への浸透がスムーズになるなど、さまざまなメリットを期待できます。
なお、パイロットオフィスの設計やレイアウト、導入する設備は目的や用途によって異なるので、導入目的を明確にした上で、現場の声にも耳を傾けながら設備導入や設計を検討しましょう。
目的の明確化や、ニーズに合ったレイアウトに悩んだ場合は、プロの意見を参考にしながら計画を進めていくのがおすすめです。
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