従業員数に対する最適なオフィスの広さをご存知ですか?
実は、従業員一人当たりの適切なオフィス面積は、法律で定められています。
近年では、テレワークが普及したことで、この法律に基づいた考え方以外にも、従業員の在籍数と出社率を使った計算式でふさわしい面積を求める方法が登場し、徐々に浸透しつつあります。
ここでは、20名、50名、100名の従業員数にふさわしいレイアウトの具体例も織り交ぜながら、快適なオフィス面積についてご案内したいと思います。
INDEX
1.オフィス面積と労働生産性の関係
2.一人当たりのオフィス面積は約1〜1.4坪が目安
3.従業員の人数に合わせたオフィスの面積とレイアウト例
4.オフィス面積が狭い時の対処法
5.まとめ
1.オフィス面積と労働生産性の関係
オフィスの広さは、従業員の労働生産性と深く関係しています。
従業員一人当たりの面積が狭いと、精神的に圧迫感を感じるだけでなく、適切な動線が確保できずに仕事がしにくい状況に陥ってしまいます。
従業員一人当たりの面積が広すぎると、冷暖房の効率が悪くなって快適に過ごしにくくなります。
また、必要な機器が遠くにあったり、同僚との距離が遠く疎外感を感じたり、円滑なコミュニケーションがはかれなくなる可能性もあります。
適切な面積を保つことで、労働生産性は向上し、従業員の仕事のしやすさ、オフィスでの過ごしやすさも高まっていくことが期待されます。
2.一人当たりのオフィス面積は約1〜1.4坪が目安
実は、正しい一人当たりの面積は法律で定められています。
労働安全衛生法に基づく事務所衛生基準規則には、「労働者一人について、10立方メートル以上」のスペースが必要とあります。
10立方メートルを坪に換算すると、約1.4坪となります。
とはいえ、これは設備も含めた数値であるため、実際には一人当たり約1坪のスペースを確保するのが望ましいと考えられています。
ちなみに、オフィス家具のメーカーは、一人当たりの面積として2〜4坪を推奨しているケースが多くあります。
またコロナ禍では、テレワークの普及によって出社する人数が日によって変動する会社が多くなり、従業員数のみではオフィスの面積を定められないという場面も増えました。
この場合は、次のような式でオフィスの面積としてふさわしい広さを決めることもあります。
【アフターコロナのオフィス面積の求め方】
(席数=在籍人数×出社率×席余裕率)×一席当たり面積=オフィス面積
これは、在籍人数ではなく、一席当たりの面積を決めてから、在籍人数や出社率をかけて必要とされる広さを算出するものです。
テレワーク、ハイブリッドワークが浸透しているオフィスの場合は、こうした新しい式を用いて必要な面積を決めるのも良いアイデアです。
3.従業員の人数に合わせたオフィスの面積とレイアウト例
従業員の人数に合わせた場合の、最適な広さは次の通りです。
また、20名規模、50名規模、100名規模と、おすすめのレイアウト例をそれぞれ挙げました。
例えば、在籍人数は100名であっても、ほぼ半数が在宅で仕事をしているという場合は、50名規模のレイアウトを参照するのもおすすめです。
新しい時代の働き方も考慮しながら、会社にあったオフィスレイアウトをご検討ください。
・20名規模の広さとレイアウト例
20名規模のオフィスは、75〜80坪の広さがあれば、十分働きやすい環境を構築できます。
オープンなレイアウトを心がけることで、通路幅も広く取りやすくなり、快適な導線を確保できます。
業務スペースは、対向式レイアウトや背面式レイアウトを採用し、島型にデスクを置くのがおすすめです。
対向式はデスクを向かい合わせにするレイアウト方法で、背面式は従業員同士が背中合わせに着席するレイアウト方法です。
これはプライバシーを保ちやすく、視線が合わないので、業務に集中しやすいレイアウトとされています。
さらに、家具はなるべく背の低いものを選び、窓からの光を遮らないようなレイアウトを心がけると、さらに開放感が得やすくなります。
・50名規模の広さとレイアウト例
50名規模のオフィスは、150〜152坪のスペースが適しています。
この広さであれば、個室とコミュニケーションを取りやすいフリーなスペースの両方をつくることができるでしょう。
一人で集中して業務を行う従業員向けの完全個室や、会議室、グループでディスカッションもできるリフレッシュスペースなどを設けることが可能です。
オフィスの玄関口ともいえる受付も比較的ゆったりスペースを作ることができる上、ショールームなども実現可能な広さです。
・100名規模の広さとレイアウト例
100名規模のオフィスは、300〜310坪程のスペースがあると快適なレイアウトが実現できます。
人数が多くなると、プリンタなどのOA機器を各人が使いやすいように複数配置する必要があり、設備のためのスペースは、20名規模、50名規模よりも広く確保する必要があります。
通路も、二人がすれ違える広さを確保しておくと動線がスムーズになります。
一般的に、人が一人通れる通路幅は90cmとされています。
そして、対面で二人がすれ違うためには、1,600cmが必要です。
このことから、300坪以上のスペースがあっても、個室をたくさん作るのではなくオープンスペースにデスクを並べるレイアウトにした方がオフィス空間は快適になりやすいといえます。
会議室や応接室など、閉じられた空間が必要なところのみを個室として、一般の従業員が業務を行うスペースは、パーテーションなど壁以外の間仕切りを使う方が良いでしょう。
4.オフィス面積が狭い時の対処法
人数に応じたスペースを有する物件ではない場合、少しでも従業員が使えるスペースを増やすには、次のような対策が有効です。
・一つの空間に複数の機能を集約させる
日本の生活様式は、一つの和室がちゃぶ台を出せば居間や客間に、布団を敷けば寝室になるという「一つの部屋にいくつもの役割を持たせる」生活様式です。
これと同じように、オフィスの共用スペースなどを休憩室、ミーティグルーム、応接室といったいくつかの用途で使えるように工夫すると、限られたスペースを有効に活用できます。
移動式のパーテーションや家具を使うことで、一つの空間に複数の機能を持たせることができます。
・ペーパーレス化推進で保管スペースを節約
人が使える空間を増やすためには、資料や什器をできるだけ削減する必要があります。
もっとも削減効果を実感しやすいのは、紙の書類の保管スペースを減らすことです。
ペーパーレス化を進めて、なるべく物理的な保管物が出ないようなシステムを構築してみましょう。
「一年以上閲覧しない書類はデータ化する」、「社内文書はなるべくPDFとし、印刷が必要な書類は極力両面プリントで出力する」など、社内ルールを整備するのも有効です。
ドキュメントの保管には、クラウドサービスが便利です。
4.まとめ:テレワークなど働き方の変化でオフィスの人流にも変化あり
オフィスのあり方は、デジタル技術の進化や働き方の変容によってさまざまな形をとってきました。
今は、出社を前提としない働き方も増えたことで、必ずしも在籍人数に準拠した規模やレイアウトにこだわる必要がなくなった会社も少なくありません。
人数規模にふさわしい広さのオフィスを選ぶ際は、出社体制なども考慮に入れて柔軟な検討をおすすめします。
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