ファッションにコーディネートがあるように、インテリアにもコーディネートはあります。
そして、コーディネートはただ単に「おしゃれだから」、「かっこいいから」という理由から行うのではなく、集中力を高めたり、その空間の雰囲気を柔らかくしたり、さまざまな効果が見込めるために行なわれています。
今回は、家具やカーテンなどで取り入れやすい「色」に着目して、仕事がはかどるオフィスづくりのサポートをしたいと思います。
INDEX
1.色が与えてくれる効果一覧
2.オフィスコーディネートに色を取り入れる方法
3.エリア別おすすめのカラー
4.まとめ
1.色が与えてくれる効果一覧
まず、一般的にどの色がどのような効果をもたらすとされているのか、代表的なものを確認してみましょう。
ここでは、オフィスに取り入れられそうなカラーをチョイスしてまとめています。
・ホワイト(白色)
白色は、清潔感が感じられる色です。
どの色にも染まっていないとされ、純粋無垢なイメージもあります。
未来や平和など前向きなイメージもあり、明るい雰囲気にできるのが白色の特徴です。
なお、白色は膨張色なので、室内の壁や天井に使うと、実際よりも広く見せることができます。
・ブラック(黒色)
黒色は、すべての色を飲み込む色であり、強さや高級感、重厚感などを見る人に与える色です。
格式の高さを印象づけられる色でもあるので、エントランスや応接室といった来客を迎える場に取り入れるのが良いでしょう。
ちなみに、先に紹介した白色、そして灰色と黒色は、彩度や色味がなく、明度のみがある「無彩色」という色に分類されています。
・ブルー(青色)
青色は多くの人にとって、空の色や海の色をイメージさせます。
心を静かに落ち着かせる効果があると言われていて、穏やかなムードを演出したい時に用いられる色です。
ビジネスシーンでは、ネイビー系の濃いブルーだと、知的なイメージや信頼の演出をするのに効果的とされていて、集中したい業務を行うスペースや商談を行う応接室などに用いるのが良いとされています。
・オレンジ(柑橘系の色)
オレンジ色やレモンイエローなど柑橘系のカラーは、フレッシュでヘルシーな印象をもたらします。
また、親しみやすい雰囲気を作ったり、あたたかい空間を演出したりするのにもふさわしいカラーです。
濃いオレンジ色はオフィス環境によっては圧迫感を感じてしまうかもしれませんが、淡い色をセレクトする、カーテンなどのファブリックに用いる、といった工夫をすると良いでしょう。
・レッド(赤色)
赤色は、太陽や血液と密接に結びついているカラーです。
エネルギッシュでやる気に満ちた感情を呼び起こす色と考えられています。
赤色をポイントとしてオフィスに取り入れると、生産性が向上するという意見もあり、ミーティングを行うスペースに赤色のインテリアを取り入れるのも効果的とされています。
・グリーン(緑色)
緑色は、植物のカラーであり、自然をイメージさせる色です。
さらに、緑色は日本工業規格(JIS)の定める「安全・避難・衛生」のイメージカラーでもあり、「進め」を意味する青信号の色でもあるなど、緊張の緩和や安全、健康といったイメージを持たれる色としても認知されています。
これらのイメージから、緑色は疲労を和らげて、ストレスを軽減させる効果があると考えられています。
休憩室やリフレッシュのためのコーナーに用いると、気持ちをほぐすのに役立つでしょう。
・ブラウン(茶色)
茶色は、緑色と同じく自然を彷彿とさせるカラーで、心を落ち着かせるのに役立つ色です。
茶色と言っても、ダークな色調からベージュに近い明るいブラウンまで、多様なバリエーションがあるので、取り入れる時は色のトーンを揃えるのがおすすめです。
木製の家具やオブジェなどをオフィスに置くことで、大地のようにどっしり構えた落ち着きとくつろぎを演出できるはずです。
2.オフィスコーディネートに色を取り入れる方法
これらの色の効果を存分に発揮するには、オフィスに色を取り入れる際の基本をおさえておく必要があります。
すなわち、空間をベースカラー、メインカラー、アクセントカラーの3つで適切に彩るということ、そしてそれらの色を取り入れる時の最適なバランスを知っておくことです。
・色を取り入れる際のバランス
オフィスにおけるカラーの使い方は、ベースカラー:メインカラー:アクセントカラーが70%:25%:5%の比率がおすすめです。
このバランスが崩れると、色同士が衝突して雑然とした印象になったり、全体の調和が取れずに落ち着かない空間になったりします。
・ベースカラー
空間全体の70%を彩るベースカラーは、床、天井、壁といったオフィスの基礎的な部分の色を指します。
室内空間のほとんどを占めているので、従業員の目にも来客の目にも留まりやすく、色が人に与える効果も大きくなります。
ベースカラーは、白色や灰色など目立ち過ぎない色をセレクトしましょう。
・メインカラー
メインカラーは、オフィス空間の主役となる色です。
バランスとしては25%ほどが良いとされているので、ドアや窓といった建具や、棚、デスクといった什器に用いるのがおすすめです。
メインカラーによく使われるのは、コーポレートカラーです。
ベースカラーとの組み合わせを考えながら、上手にコーポレートカラーを取り入れると、ブランディングにもつながるため、なるべく取り入れるようにしてみてください。
・アクセントカラー
アクセントカラーは、全体の5%程度を占めるポイントとなるカラーのことです。
多くても10%以下に止めるのが良いとされていて、絵画やフラワーベースといったインテリア小物で取り入れるのがおすすめです。
アクセントカラーには、緑色や赤色、黒色といった主張の強い色を用いるのが一般的で、季節ごとに花を飾るのもアクセントカラーの一種と考えることができます。
強い色を空間に加えることで、オフィスが印象的になり、来客の記憶に残りやすい空間を演出できます。
3.エリア別おすすめのカラー
オフィスのエリア別のおすすめカラーは次の通りです。
・エントランス
会社の第一印象を決めると言っても過言ではないエントランスは、コーポレートカラーを取り入れてみてください。
黒色を組み合わせると重厚なイメージに、茶色を組み合わせると親しみやすい落ち着いたイメージにまとめやすくなります。
・休憩スペース
休憩スペースは、疲労回復を促すとされる緑色や、明るくポジティブな気分を誘ってくれるオレンジ、イエロー系の色を用いるのがおすすめです。
心がリラックスできるような空間づくりを目指してみてください。
・会議室
会議室は、活発な議論を促すためには赤色を、物事を受け入れやすい雰囲気を作りたい時には黒色をメインカラーまたはアクセントカラーとして取り入れるのがおすすめです。
・執務スペース
執務スペースは、従業員が多い場合には空間が広く見える白色を基調としたものが好まれます。
アクセントカラーには、集中しやすい空間を演出できるブルーなどの寒色系を用いるのがおすすめです。
4.まとめ:上手に色を取り入れておしゃれなコーディネートをしてみませんか
色のもつ効果をあらかじめ知っておくことで、オフィス空間を思い描いた通りに構築しやすくなります。
特にコーポレートカラーを取り入れたオフィスデザインは、自社のブランディングや、愛社精神の育成にも深く関わってきます。
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