ホテリングとは、全員出社を前提としない、フリーアドレスよりも自由なオフィス運用スタイルです。
90年代の米国から始まり、コロナ禍を経て近年、改めて注目を集め始めています。
ここでは、ホテリングについての概要と、フリーアドレスとの違い、ホテリングのメリットとデメリットを詳しく解説しています。
省コストの達成、テレワークの普及にも一役かってくれるホテリング、導入の流れも紹介します。
この機会にぜひ詳しくなってくださいね。
INDEX
1.ホテリングとは?
2.ホテリングのメリット
3.ホテリングのデメリット
4.ホテリング導入の手順とは
5.まとめ
1.ホテリングとは?
ホテリングは、オフィスのデスク数を社員数よりも少なくして、オフィスを運用していくスタイルを言います。
全員が出社してもデスクが足りないので、必然的に、社員は出社する前にあらかじめ席の予約を行うことになります。
ホテリングというスタイルが生まれたのは意外に古く、1990年代の米国が発祥と言われています。
スタイルとしては30年近く前から存在しているオフィス運用方法ですが、今改めて令和の日本で注目され始めています。
・ホテリングとフリーアドレスの違い
ホテリングは、フリーアドレスから派生したオフィス運用方法とされています。
両者の違いは、フリーアドレスの場合は社員数分のデスクが準備されているのに対して、ホテリングは
社員数>デスク数となるため席を使うためには予約をしなければならないという点です。
フリーアドレスは、社員がそれぞれ固定の席を使用するのではなく、気分や携わる業務に応じて自由に座席を移動できるシステムですが、「全員が出社する」という前提があります。
ホテリングは、フリーアドレスからさらに一歩フレキシブルな要素が加わったオフィススタイルです。
出社を前提としていないオフィススタイルなので、在宅ワークも行いやすく、多様な働き方を推進しやすくなります。
・ホテリングで得られる効果
ホテリングによって得られる効果には、オフィスの限られたスペースを有効活用できるというものがあります。
普通に考えると、社員100人の企業には、100人全員が出社できる規模のオフィスが必要ですが、ホテリングスタイルでオフィスを運用すれば、業種にもよりますが、10人分のスペース、20人分のスペースを節約してコンパクトなオフィスとして運用することも可能です。
営業職や基本的に在宅で対応できるエンジニア職など、社内の席が空いていることが多い職業のスペースを工夫することで、広い会議室を確保することもできます。
もう一つの効果に、ユニークなオフィス運用をしていることを求職者や顧客に、企業の特徴としてアピールできる、というものがあります。
「全員が出社すると座るところがないオフィス」というのは、奇妙に感じられるかもしれませんが、その真意や運用のメリットを広く伝えることができれば、次世代型企業として目立つ存在になれるでしょう。
2.ホテリングのメリット
ホテリングのメリットは、3つあります。
また、この3つのメリットのほか、コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症流行期にはホテリングを実施するだけで、感染対策ができるという隠れたメリットもあります。
万が一クラスターが発生してしまった場合にも、「一緒に出社していたメンバーは誰か」を簡単に把握できるので、感染を最小限に止めることができます。
・勤怠管理しやすい
繰り返しになりますが、ホテリングは出社する前に社員が座席を予約するシステムです。
そのため、フリーアドレスと比較すると「どこに誰が座っているか」、「誰が出社しているか」が分かりやすく、勤怠管理しやすいというメリットがあります。
予約することで、社員は「仕事をするために出社する」という目的意識を持てるため、漫然とオフィスで時間を過ごすということが減って、能率がアップすることも期待できます。
・オフィスをコンパクトにできる
全員分のオフィススペースが不要になると、オフィスそのもののキャパシティもコンパクト化できます。
移転を機にコストを削減したい、社員数の増減幅が大きく、広いオフィスは不要という場合は、思い切ってオフィス運用スタイルをホテリングに切り替えることで、有効に使うことができるかもしれません。
・フレキシブルなオフィスデザインが可能になる
ホテリングは出社する社員が席をあらかじめ予約すると書きましたが、部署ごとやチームごとに予約をするという使い方もできます。
火曜日はAチームが会議、水曜日はBチームが会議というように業務に合わせてオフィスを使うことで、よりフレキシブルなオフィスデザインが可能になります。
例えば、Aチームはクリエイティブな会議を行いたいので、オフィスを作業スペースと休憩スペースにざっくり分けてしまう、BチームはPCを見ながら作業をしたいのでデスクを整然と並べて効率良く仕事をこなす、というようにシチュエーションに応じた使い方ができるのがホテリングの魅力です。
3.ホテリングのデメリット
ユニークなホテリングシステムですが、デメリットを把握することで、オフィス環境をより良く整えることができます。
試行錯誤しながら運用して、自社に合ったスタイルを探るのも良いかもしれません。
・システムを整備しないと予約できない
ホテリングは事前の予約が必要なので、予約のためのデバイス(スマホ、タブレット、PC)と、システムの導入が不可欠です。
また、社員の中には予約をするのが面倒と感じてしまう人もいるでしょう。
研修や説明会を開催して、働く人の理解を得ることが大切です。
・席が固定化されやすい
ホテリングはフリーアドレスよりも、席が固定化しやすいという特徴があります。
これは、毎回異なる席を予約するのがおっくうで、同じ席を予約する社員が多くなると起こりやすくなります。
しかし、固定化を防ぐために予約時の抽選機能が搭載されたホテリングシステムもあるので、固定化を防ぎたいという場合は、あらかじめシステムを工夫すると良いでしょう。
4.ホテリング導入の手順とは
ホテリング導入のためには、まず座席の予約システムを準備する必要があります。
ホテリングの予約を予約簿や帳面で管理するのは、ほぼ不可能なので予約のためのアプリや専用システムを導入して運用していきましょう。
また、「全員出社」が前提だった場合は新しい働き方を説明して、今いる社員にシステムを理解してもらうことも重要です。
システムを実際に運用すると、思わぬトラブルが発生する可能性もあるので、運用からしばらくはトラブルシューティングを順次追加したり、予約のためのマニュアルを頻繁にアップデートしたりして、働きやすい環境を整えていくように心がけてみましょう。
5.まとめ:ホテリングで住みたくなるオフィスに
ホテリングは、90年代の米国で生まれたオフィスの運用スタイルですが、令和の日本にマッチする働き方として注目されています。
テレワークを好む若い世代の人材獲得のアピールポイントとしても効果的で、オフィスの運用コストを削減できる可能性も秘めています。
予約システムの導入コストはかかりますが、よりフレキシブルで働きやすいオフィスを実現しやすくなります。
ぜひ、検討してみてください。
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