オフィスでの「音」は、意外と妨げになるものです。
一つ一つは小さな音でも、いくつも混ざり合って騒音と化すことがあり、業務効率化を妨げるおそれもあります。
快適なオフィス環境のために、防音対策をしてみませんか。
INDEX
1.オフィスの騒音とは
2.オフィスの防音対策
3.まとめ
1.オフィスの騒音とは
オフィスの騒音とは、オフィスで発生する「聞きたくない音」、「集中したいのにそれを邪魔する音」、「会議やさまざまな業務に支障を来す音」の総称です。
一つのノイズは小さくても、集まることで大きく不快な音になる可能性があるため、「ちょっとくらい」と思わずに対処していくのが大切です。
実際にどのような音が発生しているかを知ることで、オフィスを快適に保つ対策が見えてくるかもしれません。
・オフィスで発生する音
具体的に、オフィスで発生する騒音になり得る音についてご紹介します。
オフィスで発生しやすい音について理解することで、適した防音対策の方法を検討しやすくなるはずです。
【雑音】
業務に従事することで発生する諸々の音は、雑音です。
例えば、キーボード・タイピングの音や、窓やドアを開けていると聞こえてくる近隣の物音、そしてそれらが混じり合った音は、大きくなりすぎると不快感を誘発して作業効率の低下やストレスを引き起こします。
これは、空気を伝わって音が伝わる空気伝搬音(くうきでんぱんおん)の一種です。
【話し声】
話し声が騒音となるオフィスは少なくありません。
例えば、会議室の声が別の部屋にも漏れて聞こえてしまうというケースから、電話の声が混ざり合って業務に支障を来す、別部署や別フロアの声が響いてしまうというケースまで、様々な原因があります。
話し声が雑音にとどまっている間は問題ないと思えるかもしれませんが、内容が筒抜けになるくらい響いてしまうと、情報漏えいのリスクが高まるため注意が必要です。
これも、空気を伝わって音が伝わる空気伝搬音の一種です。
【固体伝搬音】
固体伝搬音(こたいでんぱんおん)とは、床や天井といった建物の構造物が伝える音のことです。
具体的には、足音や扉の開閉音、コピー機などを始めとした機械類の稼働音を意味しています。
これらは何らかの動き(衝撃)が床や天井などの構造物に振動を伝えて発生させる音なので、伝搬経路は複雑になりがちです。
一般的には、空気伝搬音よりもコントロールが難しい騒音とされています。
・オフィスの騒音がもたらすリスク
雑音や話し声、固体伝搬音全般が職場にもたらすリスクとは、次のようなものです。
音に敏感な社員にとっては、小さな音も大きなストレスとなる可能性があるので、早めに対策をしていくことをおすすめします。
【作業効率の低下】
全く音のしない無音環境も、集中力を保てない環境の一つとされています。
とはいえ、常にざわざわしている騒音が大きい環境も集中力を保ちにくい環境であることは疑いの余地がありません。
音に気を取られてミスが多くなる、注意力が散漫になって本来の能力を発揮できないなど、人知れず苦しんでいる社員がいるかもしれません。
【情報漏えい】
話し声が筒抜けになると、プライバシーがなくなるだけでなく、オフレコにしておきたい内容が漏れるなどの不都合が生じやすくなります。
社外秘のプロジェクトを社外の人に聞かれてしまう、部内だけのオフレコトークが社内全体に知られてしまうなど、困った事態になりやすいので早急に対策したいところです。
2.オフィスの防音対策
オフィスの騒音を防ぐためには、適切な防音対策が必要です。
会議室、ワークスペース、エントランスなど、場所によって適した対策が異なるので、気になる場所に合わせた対策を検討してみてはいかがでしょうか?
・防音パネル(吸音パネル)を設置する
防音パネルとしてよく知られているのが、音を吸収する吸音パネルです。
あくまで補助的に導入するツールで、完全な遮音をするには至りませんが、壁面や天井など任意の場所に簡単に設置できるため、多くのオフィスで導入しやすいのが魅力です。
吸音パネルは、主に反射する音に対して効果を発揮するため、響いていた話し声を小さくするという意味では、会議室にもっとも向いています。
〈製品紹介〉
Abta style caimi 吸音パネル
https://www.caimi.com/snowsound/
・BGMを導入する(サウンドマスキング)
「BGMを流すと、よりうるさく感じるのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、BGMはサウンドマスキングの有益な手法としてよく知られています。
サウンドマスキングは、その名称の通りに音をマスキング(覆い隠す、包み隠す)ことによって騒音を目立たなくさせることを言います。
ワークスペースにBGMを流すことで、会議室での話し声が聞こえないようにしたり、キーボード・タイピングの音をBGMに紛れさせて不快感を軽減させたりといった使い方が想定されます。
サウンドマスキングで重要なのは、「音を消す」のではなく「気にならない程度にマスクする=覆い隠す」という考え方です。
このコンセプトを基にして最適なBGMの種類、ボリュームを選んでいきます。
エントランスやワークスペースに導入することで、快適な空間を演出しやすくなるはずです。
〈製品紹介〉
*KOKUYO サウンドマスキング
https://www.kokuyo-furniture.co.jp/products/office/soundsolution/soundmasking/
・仕切りやブースを設置する
仕切り、専用ブースを設置するのも防音対策として効果的です。
会議スペースに防音性の高いパーテーションを追加する、電話をする時には専用のブースに入って行うといった動線を作ることで、騒音のレベルを気にならない程度にまで軽減することができるかもしれません。
仕切りに防音パネル、吸音パネルを使うと、より高い効果が期待できます。
広いワークスペースや、さまざまな人が出入りする休憩室などにおすすめの防音対策です。
また、サウンドマスキングと合わせることで、より効果を発揮することもあるでしょう。
・窓やカーテンを二重にする
大きな道路に面していて外の音がどうしても気になる、という場合は窓を二重窓にする、カーテンを二重、あるいは遮音性の高いカーテンに変更するというのも有効な対策です。
二重窓は外側の窓、内側の窓の間に中間空気層というものができます。
外からの音は、この中間空気層の中で反射を繰り返すため、室内に入ってくる音の強さがおさえられるという仕組みになっています。
ちなみに、二重窓よりも三重窓の方がより高い防音効果を感じることができます。
カーテンの場合は、窓のように音を反射させる遮音効果以外に、吸音の効果も期待できます。
遮音カーテンは、一般的に生地裏に金属樹脂(アルミ、酸化チタンなど)をコーティングして遮音効果を発揮しているため、重いのが難点です。
しかし、外の音をシャットアウトしたい時に導入しやすいので、防音対策としては気軽にできるものの一つと言えるでしょう。
窓が広い部屋や、ドアに近いワークスペースにおすすめの対策です。
3.まとめ
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