働き方改革や新型コロナウイルスの流行を契機に普及したテレワークは、企業と従業員の双方に多くのメリットをもたらしました。
その一方で、オフィスに出社する価値や役割も改めて見直されています。
このような流れの中で、近年では出社とテレワークを組み合わせたハイブリッドワークを導入する企業が増えてきていますが、「特定の曜日は席が足りないほど混雑する一方、別の日は空席が目立つ」といった出社率のばらつきに悩むケースも少なくありません。
結果として、オフィススペースを十分に活用できていないと感じることもあるでしょう。
このような課題に対しては、利用状況に応じて働く場所を柔軟に確保できるフレキシブル・オフィスの導入が有効です。
今回は、ハイブリッドワークで課題になりやすい出社率の波に伴う問題に効果的なフレキシブル・オフィスの考え方と、具体的な取り入れ方について解説します。
INDEX
1.フレキシブル・オフィスとは?ハイブリッドワークの課題解決につながる注目の考え方
2.フレキシブルな働き方を実現するオフィスづくりのポイント
3.まとめ
1.フレキシブル・オフィスとは?ハイブリッドワークの課題解決につながる注目の考え方
フレキシブル・オフィスには、大きく分けて2つの意味があります。
1つ目は利用ニーズに応じて柔軟な契約形態で利用できるオフィスです。
一般的にフレキシブル・オフィスという場合はこちらを指し、本社とは別に、コワーキングスペースやシェアオフィス、レンタルオフィスなどを必要に応じて活用することで、スペースの無駄を減らせるでしょう。
フレキシブル・オフィスが注目されている背景には、ハイブリッドワーク特有の出社率の波という課題があります。
ハイブリッドワークでは「週に3日以上出社」「会議のときは全員出社」といったルールが定められていることが多いものの、出社日が固定されていない場合、曜日ごとに利用人数が大きく変動しやすくなります。
例えば100席あるオフィスで週3日以上の出社ルールを導入した場合、週前半(月~水)の出社率が7割、週後半(木・金)は3割になったとします。
この場合、週の前半は席がほぼ埋まりスペースを有効活用できますが、後半になると約70席分の席が空き、オフィススペースに大幅な無駄が生じます。
たとえ利用者が少なくても、オフィスの賃料や照明・空調の電気代などの固定費は変わらず発生するため、このようなスペースの余剰はコストの無駄と考える経営者の方は多いでしょう。
そこで有効なのがフレキシブル・オフィスという考え方です。
例えば、これまでよりコンパクトなオフィスに移転し、混雑が見込まれる日(曜日)だけ外部のシェアオフィスやレンタルオフィスを利用すれば、無駄なスペースを削減しつつ固定費を抑えられます。
なお、フレキシブル・オフィスは固定費削減にとどまらず、多様な働き方の促進や、複数拠点の確保によるBCP対策などにも役立ちます。
フレキシブルワークに対応するオフィスづくり
もう1つの意味としてのフレキシブル・オフィスは、フレキシブルワークに対応したオフィス環境そのものを指し、フレキシブルワークスペースとも呼ばれています。
前述した外部オフィスの活用ではなく、既存のオフィスを多様な働き方=フレキシブルワークに適応する設計・レイアウトを見直す考え方です。
従来の全員出社を前提としたオフィスから、ハイブリッドワークに適した柔軟な空間へと転換することで、スペースの最適化と無駄なスペースの削減を図ります。
次章では、このようなオフィスづくりを実現するための具体的なポイントを詳しく解説します。
2.フレキシブルな働き方を実現するオフィスづくりのポイント
ハイブリッドワークに対応した柔軟なオフィス環境を整えるためのポイントを、4つに分けて解説します。
レイアウトを自由に変更できるデザインの採用
オフィススペースを無駄なく活用するには、出社人数や利用状況に応じて自由にレイアウトを変更できるデザインを採用するのがポイントです。
例えば、固定席を設けないフリーアドレス制の導入や、稼働しやすい軽量なデスク・チェアの採用、可動式のパーテーションの活用などが挙げられます。
人数が少ない日は余剰のデスクやチェアを片付け、代わりにオープンスタイルのミーティングスペースを設けるなどのアレンジを行えば、空いたスペースを有効活用できるでしょう。
また、キャスター付きのモニターやホワイトボードなどを用意しておくと、レイアウト変更の手間を軽減でき、柔軟な運用がしやすくなります。
目的に応じたゾーニング
自由なレイアウトを可能にするデザインを採用する一方、目的やニーズに合った働き方を希望する従業員のために、明確なゾーニングを行うことも大切です。
例えば、周囲を気にせず集中して作業したい人のためにパーテーションなどで区切った個人ブース、コミュニケーションを重視した会議スペース、オンライン会議に適したWebブースなどを設けると、多様なニーズに対応できます。
さらに個人ブースやWebブースは、ミーティングルームや会議スペースと距離を取って配置することで、「周囲の音が気になって集中できない」「周囲に配慮して発言しにくい」といった問題の軽減にもつながります。
ITインフラの整備
固定席に縛られない働き方を実現するには、どこでもスムーズに業務ができるIT環境の整備が不可欠です。
具体的には、持ち運びに適したノートパソコンやタブレット端末、無線LAN接続対応のプリンターなどを導入することで、フリーアドレス制をスムーズに運用できます。
一方で、利便性の向上に伴いセキュリティ対策も重要になります。
特にハイブリッドワークの場合、自宅でテレワークしている従業員が社内システムにアクセスするケースが増えるため、安全性の確保が欠かせません。
例えば、通信を暗号化するVPNや常に認証を必要とするゼロトラストの導入、多要素認証(MFA)の採用などを検討すると、オフィスとテレワーク双方で安心して業務を行える環境を整えられます。
ウェルビーイングを意識したオフィスづくり
出社率の波が顕著なオフィスでは、スペースを活用する方法だけでなく、出社したくなるオフィスづくりへの工夫を取り入れることも重要です。
そこで意識したいのがウェルビーイングを意識した空間設計です。
オフィスにおけるウェルビーイングとは、従業員が心身ともに快適な状態で働ける環境を指します。
例えば、自然光やグリーンをふんだんに取り入れたリラックスできる空間づくりや、高性能な空調設備を導入して快適な温湿度管理などを行うことで、「自宅よりもオフィスの方が働きやすい」というオフィスへの回帰意識を芽生えさせる効果が期待できます。
他にも、リフレッシュスペースの設置や遊び心のあるデザインを取り入れるなど、さまざまな工夫をすることで、出社意欲の向上につながるでしょう。
ただし、現場の意思を考慮しないアイデアは逆効果になることもあります。
ウェルビーイングを意識したオフィスづくりを目指すのなら、事前に社内アンケートを実施するなど、従業員の意見を反映させながら進めることが大切です。
3.まとめ:オフィスレイアウトの見直しでハイブリッドワークの課題を解決しよう
ハイブリッドワーク特有の「出社率の波が大きい」という課題を解決するためには、オフィスの在り方やレイアウトを見直すことが大切です。
賃料や光熱費などの固定費を削減を目指す場合は、必要に応じてコワーキングスペースや、シェアオフィスを活用するフレキシブル・オフィスの導入を検討してみると良いでしょう。
一方、既存オフィスのスペース効率を高めたい場合は、フレキシブルワークスペースの考え方を取り入れるのも有効です。
レイアウトを自由にアレンジできるデザインの採用や、目的に応じたゾーニング、ITインフラの整備などのポイントを押さえながら、既存のオフィススペースを有効活用できる働き方を目指してみましょう。
「フレキシブルなオフィスづくりを進めたいが、何から始めれば良いか分からない」というときは、オフィスづくりの専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
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