オフィス工事の分離発注は中間マージンを節約できるため、全体のコストを抑えられるという利点があります。
ただし、分離発注にはいくつかのリスクがあり、場合によってはかえってコストが割高になることもあるため注意が必要です。
今回は分離発注と一括発注の違いや、発注時の注意点、分離発注が向いているケースと向いていないケースについて解説します。
オフィス移転・改装の工事の発注方法について悩んでいる方や、分離発注が本当にコストカットになるのかどうか不安を感じている方はぜひ最後までご覧ください。
INDEX
1.そもそも分離発注とは?一括発注(ワンストップ)との違い
2.分離発注で起こりやすい追加費用のリスク
3.分離発注が向いている企業・向いていない企業
4.まとめ
1.そもそも分離発注とは?一括発注(ワンストップ)との違い
オフィス工事における分離発注とは、移転・改装に伴う工事をそれぞれ別の業者に発注する方法のことです。
オフィス工事には内装工事、インフラ工事、現オフィスの原状回復工事など複数の種類があり、それぞれに専門業者が存在します。
分離発注では各工事の内容にあわせて、各々の専門業者に個別で工事を依頼するところが特徴です。
この場合、施主は各業者とそれぞれ密にコミュニケーションを取り、オフィス工事計画を進めていくことになります。
一方の一括発注とは、複数の業者を取りまとめているサービス業者にオフィス工事を一括して発注する方法で、ワンストップとも呼ばれています。
ワンストップ業者は施主からの依頼に応じて、提携している工事業者にまとめて発注をかけます。
施主が打ち合わせや、コミュニケーションを行う相手は、基本的に窓口となるワンストップ業者のみで、各業者とは直接的なやり取りをほとんど行わないところが特徴です。
・コスト削減をするなら分離発注が良いといわれる理由
「オフィス工事のコストをなるべく節約したいなら分離発注が良い」といわれる理由は、中間マージンをカットできるからです。
ワンストップの場合、施主と各工事業者の間にワンストップ業者が仲介役として入るため、中間マージンが発生します。
一方、分離発注で直接業者と契約すれば中間マージンを丸ごと節約できるため、トータルの施工費を安く抑えやすいという仕組みです。
中間マージンはいわば手数料の一種なので、施主にとって工事と直接関係のない余計なコストを削減できるのは、大きなメリットといえるでしょう。
ただし、中間マージンを節約できるからという理由だけで安易に分離発注を選択するのは早計です。
実は分離発注には一括発注にはないリスクがあり、万が一トラブルやミスが起こった場合、多額の追加費用が発生する可能性があります。
「分離発注だから安いと思ったのに、結局予算をオーバーしてしまった」という失敗も十分あり得るので、分離発注を検討する際は注意点やリスクもきちんと理解しておきましょう。
2.分離発注で起こりやすい追加費用のリスク
分離発注で起こりやすい追加費用のリスクには以下のようなものがあります。
- 遅延トラブルによるオフィスの賃料の二重払い
- 仕様変更・施工ミスによる修正費
- 業務の煩雑化による見えないコストの増加
ここからはそれぞれのリスクについて詳しく解説していきます。
・遅延トラブルによるオフィスの賃料の二重払い
分離発注で特に注意したいリスクが、業者間の連携ミスや情報伝達ミスによる工期の遅延です。
オフィス工事は多岐にわたりますが、それぞれ独立しているわけではなく、相互に密接な関係があります。
例えば内装工事は、設計事務所が作成したレイアウトやデザインの図面に沿って行われるため、業者間での情報共有や意思伝達が必要不可欠です。
業者間のコミュニケーションに問題があると、施主のニーズやプランのコンセプトなどが正確に伝わらず、スケジュールが滞る原因となります。
工期が大幅に延びてしまうと、当初予定していた日までに現オフィスを引き渡せず、解約を先延ばしにしなければなりません。
新オフィスの賃料起算日はケースバイケースですが、物件引き渡し日や内装工事の着手日だった場合、新オフィスの工期が遅れるほど新旧オフィスにおける賃料の二重払い期間も延びてしまいます。
工期遅延の原因が業者側にある場合は補償の対象となりますが、分離発注は責任の所在が曖昧になりやすいという欠点があるため、トラブルが解決するまで損害金を自己負担しなければならないリスクがあります。
・施工ミスやトラブルによる修正費
前述したように、分離発注は業者間の情報共有や意思疎通が難しいという欠点があるため、施工ミスやトラブルのリスクも高くなりやすい傾向にあります。
その場合、設計図通りに修正する必要がありますが、修正費をどの業者が負担するかでもめるケースも少なくありません。
分離発注はそれぞれの業務を担当する業者が決まっているため、責任の所在は分かりやすいと思われがちですが、一つの工程に複数の業者が関わっている場合、どの業者がミスを犯したのかはっきりしないことがあります。
業者間で責任の押し付け合いになると、トラブルの解決までに余計な時間を費やしたり、原因究明のために別途費用が発生したりすることもあり、コストがかさむ要因となります。
・業務の煩雑化による見えないコストの増加
分離発注では、各業者との打ち合わせや連絡、スケジュール調整などを全て自社で行わなければなりません。
オフィス工事は複数の業者が関わるため、全ての業者と密にコミュニケーションを取り、業者間でスムーズに連携を取れるよう配慮するにはかなりの労力を要します。
また、業者の数が多いほどやり取りにかかる手間や時間も増えるため、プロジェクトチームや担当者の業務はさらに煩雑化していきます。
そうなると少人数では対応しきれない可能性が高くなるため、チームメンバーや担当者の数を増やさざるを得ません。
その結果、自社のコア事業に携わる人材が減ってしまい、業務生産性の低下につながる可能性もあります。
業務生産性が落ちたことによって売上が減った場合、分離発注による見えないコストが発生したと考えられるでしょう。
3.分離発注が向いている企業・向いていない企業
ここまで分離発注の概要やリスクについて説明してきましたが、内容をまとめると分離発注は以下のような企業に適した方法と考えられます。
- 総工費を節約したい
- 業者選びや現場管理のための時間や人材を確保できる
- オフィス移転に関してある程度の専門知識を持つ人材がいる
分離発注では自社の担当者と各工事業者の間で頻繁に打ち合わせを行うことになるため、そのための時間や専門的な知識を持つ人材を確保できるのかどうかが重要なポイントになります。
逆に、以下のような企業は分離発注ではなく、ワンストップの一括発注を利用した方がメリットが大きいかもしれません。
- オフィス移転にまつわる手間や時間を削減したい
- オフィス移転が初めてで、総合的なサポートを受けたい
- 万が一の場合の責任の所在を明確にしたい
オフィス移転に関して多くの人材や時間を取られたくない場合や、初めてのオフィス移転で何をすれば良いのか分からないという場合は、オフィス移転を丸ごとお任せできる一括発注が適しているでしょう。
また、もしものトラブルがあったときに迅速に対応してもらいたいという場合も、一括発注の方が適しています。
4.まとめ:オフィス工事の分離発注を検討する際はリスクについても知っておこう
オフィス工事の分離発注は、中間マージンを取られないぶん、総工費を安く抑えやすいというメリットがあります。
ただし、工事ごとに別々の業者に頼むと、業者間の連携がうまく行かず、工程に遅延が発生したり、施工トラブルが生じたりするリスクが高くなりがちです。
工期が延びて現オフィスの退去が遅れた場合、賃料の二重払いでコスト負担が大きくなる可能性もあります。
また、トラブルの原因を特定できない場合、修正費を一時的に自社で負担しなければならない事態に陥るリスクも考えられるでしょう。
このように、分離発注では思わぬ追加費用が発生する可能性もあるため、「安くなるから」と安易に分離発注を選ばず、リスクも踏まえて慎重に検討することをおすすめします。
工期の延長やトラブル時の対応に不安を感じるのなら、ワンストップの一括発注を検討してみてはいかがでしょうか。
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