オフィスデザインのトレンドは、より自由な発想が見受けられるようになりつつあります。
世界はコロナ禍を経て、「出社」という行動が当たり前ではなくなりました。
本記事では、現在のオフィスデザイン最前線と、デザインがもたらす基本的な効果について、改めて探ってみたいと思います。
INDEX
1.オフィスデザインの重要性
2.オフィスデザインのトレンド5選
3.デザインにおける色の効果
4.デザインにおける配置の効果
5.まとめ
1.オフィスデザインの重要性
「オフィスは仕事ができる設備さえあれば良い」という時代は過去のものとなりました。
快適に感じる環境を整えることで、仕事の効率化を図ったり、離職を防いだりできる可能性があり、企業は出社したいと思えるオフィスづくりに力を注いでいます。
実際、植物を置くと心が穏やかになる、パーテーションを取り去ることでコミュニケーションが活発化するという効果も見られています。
2.オフィスデザインのトレンド5選
オフィスデザインで注目されているトレンドを、5つピックアップしてみました。
オフィスレイアウトを変更する際に、取り入れてみてくださいね。
・オフィスのグリーン化
オフィスに観葉植物や緑のカーテンを取り入れることで、心を穏やかにする効果があるとされています。
観葉植物をインテリアとして置くだけでなく、大きな植物をパーテーションとして利用するといった大胆なアイデアも世界各国で採用されていて、SDGsの観点からもオフィスのグリーン化が推奨されています。
・異なる素材の組み合わせで遊び心をプラス
オフィスの家具といえば無機質なデザインが主流に思われるかもしれませんが、近年では、木製の家具と大理石の床、それにプラスチックやレザー、ファブリックといった別の素材同士を組み合わせたオフィスデザインも注目を集めています。
また、敢えてデスクや照明のデザインを統一せず、バラバラのデザインの家具を設置して、遊び心を演出する試みも見られています。
・開放的なレイアウトでオフィスの風通しを良くする
パーテーションや部屋を細かく分けるのではなく、1フロアを丸ごと大きく連続した空間として構成するオフィスデザインも、国内外で見られています。
これは、役職や部を個室にせず、オフィスを区切らないことで、他部署間でのコミュニケーションを活発化する狙いがあります。
開放的な空間は自由な発想や活発なコミュニケーションを誘発するだけでなく、閉鎖空間でのパワハラ、セクハラといったハラスメントを防ぐ効果も期待できます。
・フリースペースを設けて自由な発想を促す
カフェマシンやお菓子を置いて、自由に使えるようにしたフリースペースを設けることも、近年のトレンドとして定着しています。
職場でも仕事からひととき離れることで、リラックスして仕事に戻れるようになったり、まったく新しいアイデアが浮かんできたりと、良い効果があらわれると考えられています。
スペースが限られている場合は、会議室としても利用できる空間をフリースペース化するなど、可変性を持たせるレイアウトも有効です。
・日本と北欧のデザインをミックスする「ジャパンディ」
「ジャパンディ」とは、北欧インテリアと日本インテリアの良いところをミックスさせたスタイルで、欧米を中心として注目されているインテリアです。
布団やちゃぶ台など、移動できる家具を使ってミニマルな空間を有効活用し、シンプルで無駄を省いた暮らしをする日本の考え方と、居心地良い空間を追求する北欧の考え方を合わせて、洗練されているけれどどこか温かみを感じられるというインテリアを構築するのが、ジャパンディです。
北欧は、日照時間が短く冬が長いため、外の光を効果的に取り入れたり、長く過ごす家を快適に保とうという意識が強く、限られた空間を有効に使おうという日本の考え方と合わせることで、より快適なインテリアを生み出すことができます。
3.デザインにおける色の効果
オフィスのレイアウトを大きく変更できない時は、色のもつ効果を活かしたインテリアを取り入れるのがおすすめです。
色のもつ効果、代表的なものをまとめました。
・集中力を引き出すには寒色系
青色など寒色系のカラーは、信頼感や落ち着いた雰囲気を醸し出すのにふさわしい色とされています。
集中力を持続させたい事務職のデスクや、信頼やプロフェッショナルとしての姿勢をアピールしたい応接室などに寒色系のインテリアを導入すると、欲する効果が得られるかもしれません。
また、紫色は格式の高さや賢明な印象を与えることができると言われています。
・コミュニケーションを活発化させるには暖色系
行動力を発揮したい場所や、コミュニケーションを活発化させたい部屋は、赤色やオレンジ色など暖色系のカラーを取り入れるのがおすすめです。
とはいえ、壁を一面赤色にしたり、ソファや大きなテーブルなどを鮮やかな赤色にすると、刺激が強く疲労感を感じてしまうこともあります。
絵画や椅子など、一部分に取り入れるのがおすすめです。
・彩度の低い色で落ち着いた雰囲気にまとめる
彩度の低い色は、白色やグレー、黒に近い色を指します。
こうした色は、落ち着いた雰囲気を演出しやすいため、その部屋にいる人の心を落ち着かせる効果があると言われています。
流行のくすみカラーは、彩度を低くおさえつつも彩りを添えることができるのでおすすめです。
・彩度の高い明るい色でポジティブな明るい印象にする
彩度の高い鮮やかな色は、明るい印象を与えてくれます。
また、ポジティブなイメージを演出できる色なので、フリースペースやミーティングルームに取り入れると、議論が活発に行えるかもしれません。
4.デザインにおける配置の効果
些細なことに感じられるかもしれませんが、どこに何を置くか、どの順番でレイアウトするかによって、オフィスの印象は違ってきます。
・整然と並べるかあえてランダムに並べるか
オフィスのデスクは整然と並べてレイアウトするのが一般的ですが、フリーアドレス制のオフィスであえてランダムにデスクを配置するのも、実験的なレイアウトになります。
動線が複雑になることで、異なる部署の人同士がコミュニケーションを取る機会が増えるというメリットもあります。
・自然光を取り入れる
窓を棚などで遮るレイアウトは、光が入りにくくオフィス環境に閉塞感をもたらしてしまうこともあります。
可能であれば、窓を広く開けて、景色や空気を楽しめるレイアウトが良いのではないでしょうか。
また、窓が大きければ大きいほど外光を取り入れやすく、電気代の節約にもつながります。
・仕事ゾーンとプライベートスペースを設ける
オフィスは仕事をする場所ですが、オフィス環境を快適に保つにはほっと一息つける空間を用意することも大切です。
休憩室や仮眠室など、仕事を離れて気持ちをリラックスさせられる空間を作れば、作業効率を高めることもできるでしょう。
5.まとめ
オフィスデザインは、トレンドが移り変わっていきますが、コロナ禍を経てより自由に、フレキシブルになっているようです。
また、ダイバーシティの実現、テレワークの推進などでオフィスのあり方や存在意義も変わってきました。
これらを踏まえて、働きやすい環境とはどのようなものなのか、今の社員が何を求めているのか、を考えていくとオフィスデザインの目指す姿が見えてきます。
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